
砂の王国(上)
荻原浩
2010年11月30日
講談社
1,870円(税込)
小説・エッセイ
全財産は、三円。転落はほんの少しのきっかけで起きた。大手証券会社勤務からホームレスになり、寒さと飢えと人々の侮蔑の目の中で閃くー「宗教を興す」。社会を見つめ人間の業を描きだす著者の新たなる代表作、誕生。
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(無題)
現代は人を豊かで健康的な生活から、簡単に貧困へと転落させる。一度その負の連鎖に巻き込まれると、才能や努力は何の意味もなさない時代だ。山崎は勤めていた証券会社を解雇された。40歳になっていた山崎に次の職はみつからず、気が付けばホームレスに落ちぶれていた。山崎は辻占師錦織龍斎から、一人の客あたり105円でさくらを引き受ける。龍斎の占いが当たる事に驚嘆するのだが、それはテクニックの為せるわざだった。得意げな龍斎は山崎に、そのカラクリを教えて聞かせる。一方、公園で不思議な雰囲気を持った仲村健三というホームレスに出会う。仲村は黙っていてもコンビニ店主やアルバイトから廃棄弁当を贈られのだ。山崎は仲村からお裾分けを受けひもじさを脱し、本格的なホームレス生活に突入するのだった。このホームレス時代の山崎の一挙手一投足についての描写が迫真に迫っていてすばらしい。山崎は何とかしてホームレスから脱出しようと、努力するのだが、一度ホームレスとなってしまうと、才覚を働かせて必死に努力しても世間が許してくれないのだ。そんな生活で1番の恐怖は、ホームレス狩だった。危うく難を逃れた山﨑だったが、この事によって彼の中にある何かに火がついた。数日後彼の姿は、浦和競馬場にあった。負け続けた馬券であったが、最後は自らの命を賭けたギャンブルであった。そして、勝利の女神は彼に300万円の現金をプレゼントしてくれたのだった。ここから山﨑の逆襲が始まる。物語は俄然面白くなり、佳境へと入るがお楽しみは下巻にお預けである。
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