スリジエセンター1991
海堂 尊
2012年10月31日
講談社
1,760円(税込)
小説・エッセイ
手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと放言する天才外科医・天城は、東城大学医学部でのスリジエ・ハートセンター設立資金捻出のため、ウエスギ・モーターズ会長の公開手術を目論む。だが、佐伯教授の急進的な病院改革を危惧する者たちが抵抗勢力として動き始めた。桜宮に永遠に咲き続ける「さくら」を植えるという天城と世良の夢の行く末は。
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(無題)
『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』に続くブラック・ペアンシリーズが本作で完結です。前作の「ブレイズメス」で華麗な登場をした天城雪彦。本作では、キザな天才外科医のイメージが大きく変わり、人間的に弱い面も見せたり、医療の本質的な面を語ったりと、とても魅力溢れる人間に描かれています。 来日前、天城は手術を望む患者に、全財産の半分を差し出させルーレットで勝利した時のみ手術をし、ルーレットの勝ち分を報酬として受け取っていました。彼はスリジエ・ハートセンターの創設費用も裕福な患者の寄付で賄おうとするのでした。 東城大学医学部付属病院院長にして総合外科学教室トップの佐伯清剛教授の病院改革構想は、研修医の育成から病院経営にまで渡る壮大なものでした。天城の招聘も東城大学の名声を高め、心臓専門病院を建設する構想の一環でした。天城の理想とするスリジエ・ハートセンターは、佐伯外科の双璧と呼ばれている黒崎助教授の妨害を受けることになります。ことに、医療は万人にも公平であるべきという信念の高階講師は、裏工作を専らにして阻止を画策すのでした。 この様に権力闘争や院内政治がドロドロと渦巻く中、天城の手業の華麗さが語られて行きますが、最終的には天城と高階は敗れ去ります。最後は何とも哀しい結末です。我らが世良医師も失意の内に僻地の診療所に逃げ込むのですが、海堂ファンなら世良がこの後どうなったかは、先刻ご承知ですよね。
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