![](https://tshop.r10s.jp/book/cabinet/9834/9784062199834.jpg)
罪の声
塩田 武士
2016年8月3日
講談社
1,815円(税込)
小説・エッセイ
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだったー。
みんなの評価(125)
starstarstar読みたい
140
未読
56
読書中
28
既読
633
未指定
379
書店員レビュー(1)書店員レビュー一覧
みんなのレビュー (7)
(無題)
今から30年以上前に起きた会社恐喝事件。グリコ森永事件と言っても、今時は知らない人の方が多いのかもしれない。この大事件の発端は、江崎グリコ社長誘拐および身代金要求だった。その後、丸大食品、森永製菓、ハウス食品、不二家、駿河屋など食品会社を次々と脅迫。犯人と思しき人物が何度か目撃されたが逃げられてしまった。そして前代未聞の大事件は未解決のまま時効が成立している。 本書はそんなグリコ森永事件を下書きにして、大胆な推理が展開されている。事件は未解決であるから真相は闇の中。だからさまざまな憶測やどんな奇想天外な想像も許される。さて、本作は未解決な大事件に、もしも自分の父親が関わっていたとしたら、こんな仮定のもとにストーリーが展開されて行く。それが京都でテーラーを営む曽根俊也である。そして、ミステリーに不可欠なのが謎解きの探偵の存在だ。その役どころを担うのが新聞社の文化部記者・阿久津英士である。阿久津は新聞社に席を置きながらなハナから社会部や政治部を望まない人間である。新聞記者としては、野心に欠けるというか本線から外れた現在のポジションに居心地の良さを感じている人間だ。そんな敏腕記者とは言い難い阿久津が次第に事件の核心に迫るのであるが、作者はそのアンバランスの中に1つのアジを出したかったのであろう。しかしそれは必ずしも成功してるとは言い難いところだ。 さらに言えば、本作は大作と言って良いだろうし、全体の構成も良くできている。しかし、何かしら血が通っていないような気がしてならない。それが小説としての出来栄えにイマイチな感じを与えているのだろう。
全部を表示ー部を表示いいね0件
close
![readee logo image](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/readee-app-front-assets/assets/images/web/logo/lg_readee.png)
ログイン
Readeeのメインアカウントで
ログインしてください
Readeeへの新規登録は
アプリからお願いします
- Webからの新規登録はできません。
- Facebook、Twitterでのログイ
ンは準備中で、現在ご利用できませ
ん。
X
![](https://d.line-scdn.net/r/web/social-plugin/img/common/line_60.png)
LINE
楽天ブックスサイト
楽天ブックスアプリ
toruo
(無題)
前に本屋さんで帯にあった粗筋を読んで以来すごく気になってたので...お友達のお宅で発見して読みかけにも関わらず強奪してきたという鬼畜行為の果てに…いや、面白かった! あの「グリコ・森永事件」を題材にしたフィクションだけどほんとに良く書けてる。 自宅で脅迫に使われたテープに自分の子供の頃の声が使われていることをを見つけたテーラーと、過去の未解決事件を掘り返すことを命じられた記者の二人を軸に進んでいく物語は「おそらく真相はこうだったのでは。」と思わせる迫力をもって迫ってくる。 事件に否応なく巻き込まれる家族の悲劇は読むのが苦しいほどの迫力だがけっして読後感も悪くない。 関西を舞台に展開されたあの事件...当時ゼネコン勤務だったうちの親父がグリコの塚口工場の現場所長だったりしたので協力しなきゃってことでグリコのお菓子詰め合わせを頻繁に買わされてたりしてて割りと身近なイメージだったこともあって一気読み。いやいやほんとに面白かった。
全部を表示
いいね0件