雨衣奇談

講談社X文庫

椹野 道流 / あかま 日砂紀

2001年7月5日

講談社

759円(税込)

ライトノベル

「母さ……やめ……」。振りほどこうともがく、まだ少年だった天本を、母は信じられないような力で押さえつけていた。「……消えて」。細い指が、ぎりぎりと天本の首に食いこむ。「消えてしまいなさい、おまえなど……! 」。過去の悪夢を見はじめた天本のもとに、ベトナムから届けられた父の手紙。いま、失われた記憶の扉が、ゆっくりと開きはじめるーー。 ありがとうーー奇跡を。闇を切り裂くネオ・オカルト・ノヴェル最新刊! 果たせなかった約束を案じつつ、事故で死んだ帰還兵。その願いをかなえるため、天本と敏生はベトナムへ! 「母さ……やめ……」。振りほどこうともがく、まだ少年だった天本を、母は信じられないような力で押さえつけていた。「……消えて」。細い指が、ぎりぎりと天本の首に食いこむ。「消えてしまいなさい、おまえなど……! 」。過去の悪夢を見はじめた天本のもとに、ベトナムから届けられた父の手紙。いま、失われた記憶の扉が、ゆっくりと開きはじめるーー。 一章 乾いた心に降る雨は 二章 ギリギリの日常 三章 迷いの羽根で 四章 時間の砦と心の柵と 五章 遠くまで見えるけれど 六章 空っぽの高い空 七章 柔らかな手のひらで あとがき

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