デジタルカメラ「プロ」が教える写真術
機材選びから撮影、画像補正まで
ブルーバックス
長谷川裕行
2008年8月31日
講談社
1,320円(税込)
ホビー・スポーツ・美術 / 新書
手軽に美しい写真が撮影できるデジタルカメラだが、すべて自動機能にお任せではツマラナイ。プロ並みの美しい作品を作り出すには、デジタル特有の撮影・画像補正技術をマスターする必要がある。本書は、デジタル画像を扱うために、押さえておきたい基礎と使用頻度が高いテクニックに絞って、とことん丁寧に解説。初心者からハイエンドユーザーまで満足できるデジタル画像処理入門の決定版。
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(無題)
本書のはじめにで、著者は次のように述べている。『すべてをカメラの自動機構に任せて撮影し、何の調整もしていないディスプレイで色を整えたつもりになって、何の調整もしていないインクジェットプリンターで大伸ばしている「カメラ・写真マニア」は少なくない』。耳が痛いところだ。私は決してマニアを自称してはいないが、少なくともお花やお魚を撮る事を楽しみにはしている。やはり何事にもコアとなるテクニックは存在する。美しい写真の出来上がりを目指してデジイチの基礎を学ぼうと思う。 まず、のっけからノックアウトされた。それはフォトレタッチについての私の考え方が間違っていたことを指摘されたことだった。私は、適正に撮影されなかったデジタル画像を事後に修正することは、邪道であり撮影の腕さえよければ使わなくて済むものだと考えていた。しかし、かつて銀塩のモノクロ写真で、暗室の中で焼き込みや覆い焼きによって白から黒の階調を思い通りに再現したように、パソコンとPhotoshopでカラー画像を思い通りの色調・階調に仕上げることこそが腕の見せ所である、との著者の指摘には思わず納得である。 また、かねてから理解が今一つであった画素数とイメージセンサーの関係がよく分かったのは、大いなる収穫であった。 次に本書ではPhotoshopの使い方にかなりのページを割いているが、これは意味がないと思う。Photoshopには分厚い解説書が幾つも出ているのだから、そちらに譲るべきであろう。Photoshopにはそれだけ多くの機能が備わっており、使いこなすのは至難の技だからだ。それと、本書の読者はプロ並みの知識と技術を持ったアマチュアカメラマンを想定しているはずだ。アマチュアカメラマンが高価なPhotoshopを購入し、しかも使いこなすと考えるには無理があるのではなかろうか。むしろ、今はPhotoshopに遜色がないようなフリーソフトが出回っているのだから、それを紹介した方が良かったのではなかろうか。
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