「声だけ」で印象は10倍変えられる

講談社+α新書

高牧 康

2014年3月20日

講談社

924円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

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(無題)

starstarstarstar 4.0 2018年12月09日

看板に偽りあり 全く、声の出し方、高低などのテクニカルな手ほどきはない。ボイストレーナーという肩書きである著者に期待したが、その期待には応えてくれなかった。トレーニングを受けないと、ご本尊は拝めないということか。 面白いのは、指揮者をマネジメントに準えているところ ?リハーサルとはなにか(136ぺーじ)名だたる楽団のリハーサル時間が短いのは、予習文化があるからです。 会議を効率的に行うには予習文化を作ることです。 ・会議出席者に予習時間を与えていますか ・会議出席者は事前に資料を見て、予習をしていますか。 ・資料の読み合わせに多くの時間を割いていませんか。 ?「ダメ出し」への勘違い(138ページ)芝居の世界でも、役者に前もって台本を渡します。 リハーサルでは、事前に演出家が考えた演技プランを、細かく役者に指示して演じさせる、と思われがちですが、それは「演技をつける」といって、役者には屈辱的なことだそうです。演出家は、まず、役者が考えてきた演技を見て、それに対して、「なぜ、そういう動きなのか」「それではわからない」「もっと違う方法はないのか」など、いろいろな注文をつけます。いわゆる「ダメ出し」です。役者がその「ダメ出し」に応える形で、別な演技をしてみせます。 ダメ出しと演技をつけるは、全く違うとの主張。上司がこうしろ、ああしろ、と細かく指示ををしたら、役者に「演技をつける」ようなものです。「ダメ出し」に対しては、「もう一度、作り直してきます」といって、再度、挑むしかないのです。 ?「モノディ・マネジメント」「モノフォニー・マネジメント」「ポリフォニー・マネジメント」 「モノディ・マネジメント」は、創業者の顔がみえる、いわゆる「ワンマン経営」「カリスマ経営」と同じです。その最大の特徴は、強いリーダーシップです。その前提には、リーダーとメンバーの間に尊敬、信頼はもとより、絶対的な能力の差がなければなりません。モノディ・マネジメントのトラブルは、リーダーの力量不足、魅力不足により、組織を構成する人々の目線がリーダーに集中せず、散漫になったり、自分自身に向いたりすることによって起こります。ところが、飽きられつつあるリーダーほど、そのことに気がつかず、「経営者目線で~」とか、「自分の会社だと思って~」と自分と同じ方向を見ることを要求することがあります。これは、マネジメントを間違えています。メンバーの目線は、リーダーに今一度、向けられるべきであり、リーダーは、二度と背かれないように、自身で努力するしかないのです。そもそも、トップダウンの傾向が強い組織では、指示を忠実に実行するための人材を育成してきたわけですから、意見が自由闊達に上がってくる土壌はありません。ですから、「下からの声が上がってこない」とか「意識が低い」と地団駄を踏むのはお門違いだと思います。 いまや、世界の巨匠といわれている日本人名指揮者も、かつて、日本の名門オーケストラに本番直前、ボイコットされるという事件がありました。「指揮しても奏でず」だったのです。それが、彼の渡米のきっかけとなり、指揮力に磨きをかけることになったのは間違いありません。帰国したときには、オーケストラを完全服従させる指揮者になっていました。 「モノフォニー・マネジメント」大きな組織ほど、決められた枠組みの中で、均質であることが求められるのです。同じ役割の中で、差異があることは望まれません。「あっちの部長はいいけれど、こっちの部長はダメだ」では困ります。部長は皆同じように立派でなくてはなりません。ホモフォニーというのは、ハーモニーを構成する音楽で、賛美歌のように、各パートが、ほぼ均一なリズムで奏でられているものをいいます。ホモとは「同じ、等しい」を表す言葉です。各パートの音が異なっていても、一体的に聴こえてくるハーモニー音楽であることから、ホモフォニーと呼ばれるようになりました。ホモフォニーの音楽を作るときは、均質性、一体性を求めます。人の歌声にはそれぞれ特徴がありますが、それを最小限にとどめて、各パートの中においても、近しい音調の声となるように、発声のしかたを揃えます。 「ポリフォニー・マネジメント」サインプレーの野球と異なり、サッカーはひとたびキックオフで試合が始まると、監督は選手に任せるしかありません。選手は、それまで、自分の技術に磨きをかけ、同じチームのメンバーの特技も頭にいれ、さらに、作戦会議を経て、それを何度もシミュレーションして、試合に臨みます。 カラオケという文化まで生み出した、歌と伴奏のモノディ様式、賛美歌や合唱曲として今も歌われるホモフォニー様式、これらとは異なり、ポリフォニー様式は、現代の音楽にはあまり登場して気舞えん。歴史の中の音楽です。クラシック音楽では、カノン、フーガという様式で引き継がれ、教育音楽では輪唱という呼び名で引き継がれています。ポリフォニー合唱曲の最大の特徴は、すべてが主旋律である点です。

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