邪魔(下)
講談社文庫
奥田 英朗 / 関川 夏央
2004年3月15日
講談社
814円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として、所轄勤務。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚・花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。放火事件では、経理課長・及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。
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邪魔
幸せか聞かれたら幸せって答えるけど・・・・】 ほんとうのことはわからない。 もっと別の人生があったかもしれない。 だから、 若いうちは好きに生きたらええよ。 若いうちは自分のために生きたらええよ。 何かが終わろうとしていること。 気がついていた。 いつかこの日が来ることを、自分はどこかで覚悟していた。 終わったのだ。 自分はいつから現実を見ないようにしてきたのだろう。 心の中にシェルターをこしらえ、そこ逃げ込むようになったのだろう。 その場所を守りたくて友人も作らなかった。 人付き合いも避けてきた。 「おかあさん、おかあさん」 何度も呼んだ。 まだいてくださいね。 心の中で祈っていた。 さよならも言わず消えないでください。 不思議な懐かしさを感じた。 生まれて最初に映った、光の記憶のような。 こんな感じ、あったな。 不安のまるでない、赤ん坊のころ。 生きているという、実感。 人生が続けられるのであれば、 幸せに背を向けるのはやめようと思う。 幸せを怖がるのはよそう。 人は幸せになりたくて生きている。 そんな当たり前のことに、やっと気がついた。 遅すぎたかもしれないけれど。
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