銀行狐
講談社文庫
池井戸 潤
2004年8月15日
講談社
726円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
狐と署名された脅迫状が、帝都銀行頭取宛に届けられた。「あほどもへ てんちゅー くだす」。具体的な要求はないが、顧客情報漏洩、系列生保社員の襲撃と犯行はエスカレートする。狐の真意と正体は?(「銀行狐」)。元銀行マンの江戸川乱歩賞作家ならではの緻密でスリリングな表題作ほか、5編収録の短編集。
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(無題)
銀行を舞台にした推理小説5編が収録された短編集です。 表題作「狐」は、脅迫状が帝都銀行頭取宛に届けられます。 「あほどもへ てんちゅー くだす」。 脅迫状が届いた後、行内で事件を担当するのは、総務の不祥事担当・指宿修平。指宿がここで始めて登場するのです。さらに顧客情報漏洩や系列生保社員への襲撃事件は、銀行に対して悪意を持つ者の犯行なのか、あるいは金銭が目的の犯行なのかが分からないまま、徐々にエスカレートして行く犯人の行動に事態は困窮を深めて行くのでした。 表題作以外の内容は次のようなものです。 「金庫室の死体」 破綻した銀行の支店金庫室に隠された死体の謎を追います。 「現金その場かぎり」 営業時間のまっただ中、支店の窓口で定期的に現金が消える不思議を解明します。 「口座相違」 女子行員が起こした振込口座取り違えで明るみに出た計画倒産の真実。 「ローンカウンター」 連続レイプ殺人を追う刑事が出会ったローンカウンターの銀行員の推理。 各編とも主人公は銀行や企業での謀略を暴くという立場ながら、自分の昇進と引き換えに交渉を進めるなど単なる正義の味方ではなく、また、悪玉とされる登場人物も自分の家族を守ろうと必死になるなど、人間の重層性が描きこまれており、実に人間くさいところが良いですね。
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まぁまぁかな
他の作品と比較してしまうせいか、きっと面白いんでしょうが相対的にまぁまぁと感じてしまった。
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