1973年のピンボール
講談社文庫
村上 春樹
2004年11月15日
講談社
660円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との“僕”の日々。女の温もりに沈む“鼠”の渇き。やがて来る一つの季節の終りーデビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く三部作のうち、大いなる予感に満ちた第二弾。
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starstarstar 3.0 2021年08月15日
“鼠”三部作第二弾。 〈僕〉は24歳になり友人とふたりで小さな会社を立ち上げ翻訳の仕事をしている。大学での彼女、直子は死に、今は双子と暮らす。2年前熱中したピンボール「スペースシップ」を思い出し探し求める。 〈鼠〉はひとりの女に溺れ生活が靄に包まれていく。ジェイズバーに通い、最後には街を出て行く決意を固める。 僕と鼠の接点はもうない。この2人が会話している場面が好きだったので残念。 「風の歌を聴け」の終わり頃から薄々感じてはいたけれど「1973年のピンボール」は退廃的な空気が色濃く漂ってひたすら暗い。僕も鼠も人生の指針を見失い自分の殻に引きこもる。現実と幻想の境目が次第に曖昧になっていく中でなんとかもがきそこから進もうとする。 次は「羊をめぐる冒険」か。もうちょっと明るい話がいいなあ。
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ヨッベン
独特の世界観を楽しめた。
非常に描写が多く、情景を想像しきれない部分は多かった気がする。 それでも風変わりなキャラクターや意味深な掛け合いは、村上春樹の描く独特の世界観に特有のもので、いつのまにか本の世界に引き込まれた。 他の作家ではなかなか味わえない感覚であり、また著者の本を読みたいなと感じた。
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