黒と茶の幻想(下)
講談社文庫
恩田 陸 / 川端 裕人
2006年4月15日
講談社
748円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
雨の音を聞きながら、静かな森の中を進んでいく大学時代の同窓生たち。元恋人も含む四人の関係は、何気ない会話にも微妙な陰翳をにじませる。一人芝居を披露したあと永遠に姿を消した憂理は既に死んでいた。全員を巻き込んだ一夜の真相とは?太古の杉に伝説の桜の木。巨樹の森で展開する渾身の最高長編。
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感想
3章の語り手は蒔生。何考えてるかわからない、無口なのに存在感があると周りから評される男。旅の3日目の朝から夜までを語る。ずっと漂っていた憂理の死の謎が、ここで明らかになる。と共に、蒔生の人でなしっぷりがわかる。でも憎めない。きっと3人もそうなんだろう。 4章の語り手は節子。ザ・リアリスト。4日目の朝から旅の終わりまでを語る。これまでの3人は「当事者」だけど、節子は「第三者」というポジションに見える。謎があらかた明らかになってからの節子の語りは、物語の締めにふさわしい気がした。 一気読みー!おもしろかった!
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