逆ろうて候
講談社文庫
岩井三四二
2007年8月31日
講談社
859円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
「信長に仕えるくらいなら、浪人したほうがましや」。美濃にその人ありと知られた武将・日根野弘就は「信長を討つ」という決意のもと、新たな主を求め東国に向かった。が、苦労して仕官した今川家での待遇は、美濃の五千貫文に対してわずか百貫文。弘就の波乱と忍耐の人生が始まった。
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方言だろうと読みやすいのは読みやすい
美濃斉藤氏の奉行、日根野弘就の物語。この人のことは知らなかったですが、当時のあのあたりで信長と敵対していた勢力であればこのような思いを持っている人はかなりいたでしょうね。 尾張美濃地方で会話には方言が出てくるけれど不思議と読みづらさは感じませんでしたね。むしろサクサク読み進められました。 なんというか、一族の惣領ってのは大変ですよね。自分の判断が一族の明暗を左右する、個人的な好みを圧し殺すことも必要ですし、なかなか思うようにいかないことも多いはず。でも金森五郎八のあの言葉は効きますね。やっぱり人間て自分は特別なんだと思いたいし、ましてや一族の惣領であればね…自分が凡人であることを認めるのは悔しいでしょう。なんか中間管理職を見ているようですね。
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