上海 交代寄合伊那衆異聞
講談社文庫
佐伯 泰英
2008年4月15日
講談社
693円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
高島玲奈の誘いで海軍伝習所を無断で空けた藤之助は、きりしたん摘発に燃える大久保純友から厳しい拷問を受ける。気がついた藤之助はなんと大海原にいた。行先は英吉利はじめ列強が租界を築く清国上海。二本差しの剣豪が初めて踏む異国の地。波涛高き時代を驀進する大人気シリーズ第7弾。文庫書下ろし。
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(無題)
シリーズ第七弾。上海に座光寺藤之助と高島玲奈が上陸する。いつかは海外へ行くことになるのだろうと予想していたが、こんなに早く海外へ飛び立ってしまうなんて。今回、二人には使命がある。上海で行方を絶った岩城和次郎と石橋継種を捜しだし、生きていれば長崎へ戻せというものだった。もっとも、藤之助はこうした使命が与えられるということを知らずにいたために、上海に行くまでにとんでもない目に遭ってしまうのだが。玲奈が座光寺藤之助には幕府崩壊を見届ける役目がある、といっているので、少なくともシリーズはそこまで続くことになる。まぁ、これはほぼ想定内ではあったが。となると、一八六七年の大政奉還か、翌年の江戸城無血開城までは最低限あるということであり、本作が一八五六年の安政三年であるから、あと十数年は物語が続くことになる。ちなみに、シリーズが始まってから本作まで一年数ヶ月しか経っていない。
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