授乳

『授乳』 →家庭教師の大学生の男の先生と、主人公の中学生の話。 →女性という身体的な「性」を感じさせる場面はあるものの、それとは対照的に（身体的な所に対抗するが如く）セクシャリティーを感じさせない「夢中」さが描かれている。私が惹かれたのは、男性性ではなく、彼の無機質さだと。 →生々しい表現や、奇怪な行動の表現が凄く好き。蛾を潰して頬に。生理用ナプキンでくるむ。ゲーム。彼を見捨てる。蟻と母の乳房を踏みつける。などなど 『コイビト』 →ぬいぐるみと私、ぬいぐるみと小学生の美佐子の、愛の話。 →これも明らかに、セクシャリティーを意識された表現なのに、セクシャリティーを感じさせない（対照的で対抗するような）「夢中さ」が描かれている。 →美佐子の奇怪な行動や、私の理解しがたい思考が、すごく好きだった。思考の方は、コンビニ人間も思い出すような。行動の方は、ぬいぐるみに愛撫される、胃袋を持ち歩く、無理心中などなど。塾の先生の不清潔さな表現が気持ち悪すぎて好き。 →ラストの美佐子の怖さも好き。 『御伽の部屋』 →主人公ゆきと関口要二の愛の形が好きで、心を愛撫する、演技でセックスするなど、その人達にしかわからない愛の形が好きな一方、ケンとのセクシャリティーなセックスのシーンでは、身体的な面も表現されて、上２つとの抗いのテーマに沿ってるとも思った。ゆきの奇怪な行動が好き。

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