
新装版 日暮らし(下)
講談社文庫
宮部 みゆき
2011年9月30日
講談社
924円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
こつこつ積み上げてきた毎日。いつまでもこんな日々が続けばいいのに。 葵殺しの裏に見え隠れするのは、二年前に鉄瓶長屋で起きた事件から尾を引く、大店湊屋のお家事情。絡まった心を解きほぐそうとする平四郎。「叔父上、ここはひとつ白紙(まっさら)に戻してみてはいかがでしょう」。弓之助の推理が過去の隠し事の目くらましを晴らしていく。進化する著者の時代ミステリー感動の結末へ。
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(無題)
葵殺しの下手人として捉えられた佐吉が解放されました。総兵衛や久兵衛は佐吉が下手人と信じて内々に処理しようと工作したのです。平四郎はじっと佐吉が釈放されるのを待っていましたが、心境は複雑です。佐吉が葵を殺しても当然なほどの仕打ちを受けてきたのを知っている平四郎は、佐吉が殺すわけがないと頭から信じられないからです。そんな心境を佐吉にぶつけた結果、佐吉はキッパリと殺人を否定しました。そうなると、真相究明に平四郎が動きます。ミステリらしい運びとなってきました。 事件の核心を握る湊屋総兵衛と葵亡き後の屋敷で対決するのです。ところが、これでも真相への糸口を見出すことはできません。一番怪しいと睨んだおふじは、気が触れてしまっていたのです。またもや振り出しに戻りますが、弓之助が重大な発見をします。佐吉の証言「葵の死体はいい匂いがしていた」との言葉です。葵は絞殺です。普通は失禁して不快な匂いかあるはずですね。この矛盾に注目したのです。 ところで、この物語の登場人物の中で気になるのが佐吉、お徳、お六です。共通するのは、何よりも人が良くて、物事がうまく運ばないのは、全て自分のせいにしてしまう古き良き日本庶民の美徳を兼ね備えているところです。そんな真面目にこつこつ努力する人が報われるのを見るのは心地よいものです。謎のミステリーを読み解いていくのも面白いですが、こんな登場人物が幸せを噛みしめる姿を見るのはなにより嬉しいものです。宮部ワールドの醍醐味ですね。
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ころんび
(無題)
途中で犯人はなんとなーくわかってくるけど、わかっていても面白い。 宮部みゆきの作品に出てくる登場人物は、人間臭くていいなあ。 人間って綺麗だけど醜いところもあって、温かくて一生懸命生きてるんだなあ、としみじみ。 前作読まずに「日暮らし」から読み始めちゃったけど、いい作品でした。
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