
再会 交代寄合伊那衆異聞
講談社文庫
佐伯 泰英
2013年4月13日
講談社
680円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
黒蛇頭(くろじゃとう)の内紛に巻き込まれ、名もなき邨(むら)で鉄格子の檻に囚われた藤之助(とうのすけ)。痩せゆく腕で懸命に脱出を試みるが……。一方、南洋に初交易に出ている玲奈(れいな)は、幼き日に生き別れた父ドン・ミゲルの消息を聞く。遠くマラッカの地で、念願の父娘再会を果たせるのか!? 読み逃すまいぞ、大注目の第十八巻!<文庫書下ろし>
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(無題)
交代寄合伊那衆異聞第18巻です。佐伯泰英のシリーズの中で古着屋総兵衛と並んで私のお気に入りです。時代小説に余りに荒唐無稽な設定をした本作を嫌う向きもあるようですが、大衆娯楽小説家たるもの、このぐらい堂々と大ボラを吹いて読者を楽しませてくれなくちゃいけませんやね。 前巻では、不意打ちではあるものの、籐之助が久々に負け、囚われの身となりましたが、現地人少女の協力を得て脱出に成功し、藤之助を救出に向かっていたヘダ号と合流しました。敵の敵は味方と、なんと老陳と協力して敵を倒しました。そして、ヘダ号の乗組員達、幕府講武所の面々も東方交易に参加することになりました。それにしても、井伊大老はなにを藤之助に伝えたのか。一旦、日本に戻ることを約束させるほどの内容とは、気になるじゃありませんか。次の巻が楽しみになります。 一方、玲奈は無事に父親と再会することができました。その父の勧めもあり、マラッカからペナンにまで船を進めて後の交易の下準備をしていました。
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