デッドボール

講談社文庫

木内 一裕

2013年5月16日

講談社

660円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

仕事なし、彼女なし、借金あり。とにかくツイてない。律儀なことが唯一の取り柄。そんなノボルに持ちかけられたのは、絶対に失敗するはずのない完全誘拐計画。その報酬は一千万円。人生を立て直すためのたった一度の犯罪。そう誓って受けたこの仕事。だが彼は、身に覚えのない事件の殺人犯になっていた。

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Readeeユーザー

本物のヒーローの背中

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4.3 2021年10月22日

デッドボールてのは終わりじゃない。これから塁に進めるんだ】 フラれた女に恥をかきたくないという動機で犯罪デビューってアリ??? フラれた彼女にお金を借りていたノボルは、すぐに返す、明日には返すから、と返さなくていい二度と会いたくないという彼女に、二十万明日返すことになった。今月の家賃も払えるかどうかってくらいお金がないのに、フラれた上にそれ以上恥をかきたくないという理由で、見栄を張ってしまった。 こうなったら、コンビニ強盗か、ひったくりか・・・・ そんな時に鳴った電話。俺はヤクザじゃないと言い張る、人を一人や二人殺してたとしても驚かない風体のゲンさんからだった。 「なんだ金に困ってんのか、俺が助けてやろうか」 悪魔のささやきだった。 ゲンさんに連れられて行ったのはファミレス。 当座の金として二十万もくれた。だが、返さなくていいという。 ある人を手助けしてやって欲しい。ということだった。 目の前に現れたのは、どっからどうみても、本人が違うと主張しても、ヤクザだった。。。 二、三日働いて、一千万。 どこをどういい風に解釈しても絶対にヤバい仕事だ。 そんなことで大金を稼げるならみんなやりたがるはず。なのに、ご氏名が俺だった。 誘拐犯・・・・になる。 誘拐なんてやりたくない。それは子どもが怖い思いをするからだ。 だがどんな場合でも子どもは二十四時間以内に返す。誰もケガをさせない。 子どもがどれほど怖い思いをするかは、お前次第だ。それがお前の仕事だ。 自分がやってもいいが、やらなきゃならないことが色々ある。ガキがぞんざいに扱われてねえかどうか、ずっと見張ってるわけにはいかない。お前がやらなきゃ、そのへんのクズ野郎に任せるしかないぞ。そいつがどう扱うかわかったもんじゃねぇのはわかるな。 さーどうする? ・・・・・誘拐犯に、なることになった。 【殺人犯VS誘拐犯】 誘拐はしたが、誰もケガをさせないように、子どもも極力怖がらせないようにしたし、無事に家に帰した。 なのに、お金は手に入らなかった。 誘拐ってそんなもんだろうな、難しいものだと、それで済めばよかったのに。 お金の代わりに受け渡し現場に転がっていたのは死体で、 僕ら誘拐犯は、殺人犯にされてしまった。 誰かが、殺した罪を自分らに擦り付け、ついでにお金も奪っていったのだ。 殺人犯VS誘拐犯。 汚名を着せられた誘拐犯は、殺人犯を追い詰められるのか? 殺人犯は、誘拐犯に全責任を押し付け、逃げ切られるのか? トップスピードで繰り広げられる展開についてこられるか!? 【それは本当のヒーローの背中だった。ガチで】 人生は一瞬先は何が起こるか分からない。 人生はまだまだ決まっちゃいないんだ。 そのことを教えてもらったんだ。 そして、それを楽しみに思えるようになれた自分がそこにいた。

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