海賊とよばれた男(下)
講談社文庫
百田 尚樹
2014年7月15日
講談社
902円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍。ホルムズ海峡を突破せよ!戦後、国際石油カルテル「セブン・シスターズ」に蹂躙される日本。内外の敵に包囲され窮地に陥った鐡造は乾坤一擲の勝負に出る。それは大英帝国に経済封鎖されたイランにタンカーを派遣すること。世界が驚倒した「日章丸事件」の真実。
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信頼こそ強さ
鐡造の意思の強さ、そして人間尊重の心が至極伝わってきた作品。こんな上司のもとで働きたいなと思った。社員を家族のようにしたい、そして社員たちもそれに応える。それは、言葉だけではない。しっかりと行動に移すそんな鐡造の心意気に皆惚れたのだろう。部下の名前と顔、地元をしっかりと覚え、激励し、叱責し、まるで第2の父親のように。我が子のように思うからこそ辛い仕事をさせられる。そんな、かわいい子には旅をさせよという信念が見て取れた。そして、部下の思いつきをすぐさま企業に取り入れるのも彼の素晴らしいところだ。意見の受容ほど嬉しいものはない。戦後ラジオや漁業などあらゆる 分野のビジネスに取り組み、イランとの交渉でも部下を信じ託した。そんな権限委譲も部下との信頼感につながっているのだろう。しかし、それとともに少し不安を覚えた。社長のために頑張る、社長が言うから行動する、そんなふうに少し依存関係が見られるようであったからだ。つまり、社長がいなくなったあと会社が立ち行かなくなるのではと。であるからこそ、早めにそのスピリットを蔓延させ第2、第3の鐡造を作り上げていくことが今後の国岡商店、ひいては出光のためだと考える。 また、鐡造の意思の強さの原点は大地域小売業という彼の初志に一貫している。企業活動は決してお金のため、利益のために行うものではない。三方よしにもあるように、売り手と買い手、そしてしいては社会、国家、日本のために良いという選択肢を行えば必ずミチは開ける。それを常に貫き、自分の軸として考えていた彼のそんな心の強さにとても感銘を受けた。かれもこれも、日田さんとの約束が誘引であろう。家族で仲良く暮らすこと。そして自分の初志を貫くこと。そんな約束を出資者であるかの人と行い、何度挫けそうになっても、悩んだ時には原点に立ち返って、自分のじくであるそんな考え方に忠実に生きてきた。そんな一貫性は僕も真似させていただきたい。 そうして、最後の彼の武器は人とのコネクションだろう。坂本龍馬を思い出すような、人とあつけんからんと話す一方で、その信念の強さに人々は震え上がり、そうして畏敬の念を払う。それは僕も一緒で、何か曲げられないパッションや熱意、目標を持っている人と会い見えるととても緊張するし、自分が高揚することを感じる。まずは、家族のため。愛する妻。子供。兄弟。父親、母親。そして、自分を助けてくれる、支持してくれるステークホルダー。日田さん、銀行の融資者、満鉄、政府関係者、イランやクウェート等の海外の油田デベロッパー。そして、一緒に戦う社員とその家族。そんな人々に囲まれて、戦後タンク掃除を請負い、その時は赤字だったかも知れないが、先々その姿を見た数々の人々が国岡に惚れて、そのプロセスを信頼し、資金の融通やビジネスチャンスの拡大に展開していく。そんな人のつながりの大切さ、そしてそれを築くものはその人の過去。プロセス。何を成し遂げてきたかの目に見える部分であることも勉強になった。 日本は人を中心とした社会。人間を信頼することの大切さを知っている。と鐡造は言っていた。それは、ビジネス上では論理的でない部分もあるが、根本としてこんな考え方であることが平和や治安の良さに繋がっているんだろう。僕の軸はそれだ。疑うことも大切だけど、人は生まれながらにして良い人であるという性善説、そしてその人のためにどうすれば役に立てるのかを1番に考え、みんなの役に立てる人という自分の社会人像を目指していきたい。今まで僕を助けてくれた、僕にポジティブな感情を植えつけてくれた家族、友達、恩師、ライバルと人と人のつながり、関係性の大切さを知っているからこそ、わかるものではないかと思う。
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信頼こそ強さ
鐡造の意思の強さ、そして人間尊重の心が至極伝わってきた作品。こんな上司のもとで働きたいなと思った。社員を家族のようにしたい、そして社員たちもそれに応える。それは、言葉だけではない。しっかりと行動に移すそんな鐡造の心意気に皆惚れたのだろう。部下の名前と顔、地元をしっかりと覚え、激励し、叱責し、まるで第2の父親のように。我が子のように思うからこそ辛い仕事をさせられる。そんな、かわいい子には旅をさせよという信念が見て取れた。そして、部下の思いつきをすぐさま企業に取り入れるのも彼の素晴らしいところだ。意見の受容ほど嬉しいものはない。戦後ラジオや漁業などあらゆる 分野のビジネスに取り組み、イランとの交渉でも部下を信じ託した。そんな権限委譲も部下との信頼感につながっているのだろう。しかし、それとともに少し不安を覚えた。社長のために頑張る、社長が言うから行動する、そんなふうに少し依存関係が見られるようであったからだ。つまり、社長がいなくなったあと会社が立ち行かなくなるのではと。であるからこそ、早めにそのスピリットを蔓延させ第2、第3の鐡造を作り上げていくことが今後の国岡商店、ひいては出光のためだと考える。 また、鐡造の意思の強さの原点は大地域小売業という彼の初志に一貫している。企業活動は決してお金のため、利益のために行うものではない。三方よしにもあるように、売り手と買い手、そしてしいては社会、国家、日本のために良いという選択肢を行えば必ずミチは開ける。それを常に貫き、自分の軸として考えていた彼のそんな心の強さにとても感銘を受けた。かれもこれも、日田さんとの約束が誘引であろう。家族で仲良く暮らすこと。そして自分の初志を貫くこと。そんな約束を出資者であるかの人と行い、何度挫けそうになっても、悩んだ時には原点に立ち返って、自分のじくであるそんな考え方に忠実に生きてきた。そんな一貫性は僕も真似させていただきたい。 そうして、最後の彼の武器は人とのコネクションだろう。坂本龍馬を思い出すような、人とあつけんからんと話す一方で、その信念の強さに人々は震え上がり、そうして畏敬の念を払う。それは僕も一緒で、何か曲げられないパッションや熱意、目標を持っている人と会い見えるととても緊張するし、自分が高揚することを感じる。まずは、家族のため。愛する妻。子供。兄弟。父親、母親。そして、自分を助けてくれる、支持してくれるステークホルダー。日田さん、銀行の融資者、満鉄、政府関係者、イランやクウェート等の海外の油田デベロッパー。そして、一緒に戦う社員とその家族。そんな人々に囲まれて、戦後タンク掃除を請負い、その時は赤字だったかも知れないが、先々その姿を見た数々の人々が国岡に惚れて、そのプロセスを信頼し、資金の融通やビジネスチャンスの拡大に展開していく。そんな人のつながりの大切さ、そしてそれを築くものはその人の過去。プロセス。何を成し遂げてきたかの目に見える部分であることも勉強になった。 日本は人を中心とした社会。人間を信頼することの大切さを知っている。と鐡造は言っていた。それは、ビジネス上では論理的でない部分もあるが、根本としてこんな考え方であることが平和や治安の良さに繋がっているんだろう。僕の軸はそれだ。疑うことも大切だけど、人は生まれながらにして良い人であるという性善説、そしてその人のためにどうすれば役に立てるのかを1番に考え、みんなの役に立てる人という自分の社会人像を目指していきたい。今まで僕を助けてくれた、僕にポジティブな感情を植えつけてくれた家族、友達、恩師、ライバルと人と人のつながり、関係性の大切さを知っているからこそ、わかるものではないかと思う。
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古今東西の本棚
(無題)
本書下巻は、1953年イランから石油を輸入した日章丸事件 を中心に国岡鐵三 の戦後の人生を描きます は、出光興産 創業者の出光佐三 の実話に基づく小説ですが、とても濃い人生ですね。日清の創業者安藤百福 もすごい人だと 思っていましたが、戦後間も無くは彼らのような傑物がいたからこそ日本が復興を成し遂げたのだと思いました。本書のラストで双鶴画賛が出てきましたが、わたしは指図布袋画賛が好きかな。なんだか楽しい絵じゃないですか?
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