ソラ色らせん

ソラはあたしを見ながらあたしの名前を呼ばない。彼が愛したのは十四歳のマリで、二十三歳のあたしではないのだから…。出会って、瞬く間に恋に落ちたふたり。未来は、いいことだらけと信じていたある日、悲劇が。あの転落事故から八年、ソラは意識不明のまま眠り続け、片時も離れなかったマリ。けれど。やっと目覚めたソラの一言は、「あんた誰？」そして、十四歳の少年で止まったソラの時間と二十三歳の女性になったマリとの現実が始まる。ふたりの心と身体の隙間が、埋められるのは、いつなのか。