海の向こうから見た倭国

講談社現代新書

高田 貫太

2017年2月15日

講談社

968円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

倭一国だけ見ていては見えないことが、朝鮮半島という「外部」の目を使えば見えてくる。古墳時代の日韓交流は、従来、倭も百済、新羅、加耶など朝鮮半島の国々も、強力な権力を有する中央(倭の場合にはヤマト王権)が鉄などの必需品の対外交易を一手に掌握し、地方の権力者に分配していたと考えられてきた。しかし近年の日韓両国の考古学の進展により、事実はもっと複雑だったことが明らかになった。日本の古墳から朝鮮系の遺物が、朝鮮半島の古墳からは倭系遺物が数多く出土する。のみならず、朝鮮半島南西部には倭独自の古墳である前方後円墳が築かれた時期さえもあった。両者の交易は多様で、その中心を担ったのは「中央」ではなく、大小様々な地方の勢力だったのだ。対外交易ルートをヤマト王権が手中に収めたのは、通説よりもかなり遅い六世紀の前半。北九州の「君主」だった磐井を倒したことで、ようやくその長いプロセスは完成した。新世代の研究者による斬新な研究アプローチ。歴史研究の醍醐味を味わうことのできる1冊。

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