興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和
講談社学術文庫
林 佳世子
2016年5月11日
講談社
1,628円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
一四世紀初頭、アナトリアの辺境に生まれた小国は、やがてバルカンからアラブ世界、北アフリカをおおう大帝国に発展した。メフメト二世、スレイマン一世ら強力なスルタンの時代、大宰相と官人たちの長く安定した支配、イスタンブルに花開いたオスマン文化。多民族と多宗教の共存した帝国が、一九世紀の「民族の時代」の到来により分裂するまでを描く。
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toruo
(無題)
興味あって第一次大戦の本を読んでたら参戦国の中のトルコってオスマン・トルコだったんだ〜世界史取ってなくて知識がまだら(笑)〜と思ったら俄然興味が出てきて。中東はじめ紛争地帯を曲がりなりにも平和に治めてきた帝国とはいかなるものなのか、ということでなんとなく網羅されてそうだったから。500年の歴史をコンパクトにまとめてあって分かりやすい。一番興味深かったのはオスマン帝国とはオスマン・トルコではない、ということ。トルコ系のオスマン家が君主だけどルーツはどちらかというとバルカン半島にあって支配層の半分くらいは非イスラムだったりする「誰のものでもない帝国」だったということかな。確固たる官僚システムと宗教への寛容性があれば頭は腐っても国家は保つ、という貴重な例かも知れない。かなり面白かった。
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