
犬と鬼 知られざる日本の肖像
講談社学術文庫
アレックス・カー
2017年1月12日
講談社
1,430円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 文庫
美しい自然、練磨された文化遺産、高度な技術、優秀な教育制度……。世界をリードするような新文明を築こうとした日本は、1990年代に失速した。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗した。「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊してしまった。この国の問題は、慢性的・長期的なもので、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告する。 美しい自然、練磨された芸術と文化遺産、高度な技術国、優秀な教育制度……。世界をリードするような新しい文明を築こうとした日本は、なぜか1990年代に失速しました。 バブル崩壊はその引き金でしかありませんでした。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗したのです。 「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊し、ついには金融界までも崩してしまいました。日本の魂が傷つけられたのです。この国が抱える問題は、慢性的・長期的なもので、まさに日本人は「ゆでガエル」状態になっていることを、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告します。 日本の景観破壊をいち早く告発し、現在のインバウンド旅行者についても発言を続ける著者の渾身の書です。 タイトルの「犬と鬼」は、『韓非子』のエピソードに拠っています。皇帝が宮廷画家に「描きやすいもの、描きにくいものは何か」と問うと、画家は「犬は描きにくく、鬼は描きやすい」と答えます。身近で控えめな犬のようなもの(伝統的な日本の景観)は、正確に捉えるのが難しいが、派手な想像の産物(不要で奇抜なモニュメント)にお金を出すことは易しいということを暗示しています。 プロローグ 第一章 国土ーー土建国家 第二章 治山・治水ーー災害列島 第三章 環境ーーステロイド漬けの開発 第四章 バブルーーよき日々の追憶 第五章 情報ーー現実の異なる見方 第六章 官僚制ーー特別扱い 第七章 モニュメントーー大根空港 第八章 古都ーー京都と観光業 第九章 新しい都市ーー電線と屋上看板 第十章 鬼ーーモニュメントの哲学 第十一章 「マンガ」と「巨大」--モニュメントの美学 第十二章 総決算の日ーー借金 第十三章 国の冨ーーお金の法則 第十四章 教育ーー規則に従う 第十五章 教育のつけーー生け花と映画 第十六章 国際化ーー亡命者と在日外国人 第十七章 革命は可能かーーゆでガエル 結論 あとがき
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