ボクの妻と結婚してください。
講談社文庫
樋口 卓治
2015年2月13日
講談社
671円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
余命6ヵ月を宣告された放送作家の修治。死を前に思うのは最愛の家族のこと。みんなを笑顔にしたくて22年間バラエティ番組を作ってきた。妻と息子にも、ずっと笑顔でいてほしい。修治は人生最後の企画を考え抜き、決めた。妻に、最高の結婚相手を遺そう。笑い泣きが止まらない家族小説。
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伊丹市で不動産(一戸建て、注文住宅)をお探しなら西急不動産 お問い合わせ 今日の本215(ボクの妻と結婚してください。) おはようございます。昨日の夜中はすごい雨でしたね。雨の音でなかなか眠れませんでした。朝にはやんでよかったです。週末は晴れそうです。お出かけ日和になりそうですね。 今日の本は、樋口卓治さん、ボクの妻と結婚してください。、です。 #kokkoさんの今日の本 #樋口卓治 #ボクの妻と結婚してください。 【妻になんて言おう】 放送作家の僕には家族がいる。 結婚して15年になる妻・綾子38歳と息子・陽一郎10歳。 二人を残して6か月後には旅立たなければならない。 この状況を「楽しい」に変換し、気軽に死んでいくのは難しそうだ。 「妻になんて言おう」 妻に余命6か月をなんとか楽しく伝えられないものか。 仮に死ぬまでに何かしておきたいとしたら、 一本でいい、妻を心の底から楽しませる番組を作りたい。 この先、妻はバツイチになる。 妻のために余命6か月をどう生きるかを、僕はずっと考えている。 僕がいなくなっても、妻と息子が幸せに暮らす。 妻と息子を愛してくれる人がどこかにいる。 「そうだ、妻の結婚相手を探そう!」 椅子に座り、何度も、くるくる回りながら、考えた。 企画には正義がいるのだ。 誰かが傷ついたりはしないか。 やっぱり死ぬのは怖い。 だから、家族が幸せに暮らしている姿を想像する。 それだけで、余命を生きられる。 愛する人の未来に幸せを残すと、僕は決めた。 余命宣告されたあとの過ごし方は人それぞれだ。 彼は愛する人の未来に幸せを求めた。 そのために余命を精一杯生きたのだ。 本当は、近づいてくる死に、叫び狂うほど弱音を吐きたかった。 怖い。怖い。死にたくない。 だから、妻の結婚相手を探すことで、 必死にその恐怖を「楽しい」に変換しようとした。 だから、死ぬ直前まで笑顔でいられたんだ。 でも、それは、、、 最愛の人が送ってくれた、優しい噓だった。
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