転落の街(上)
講談社文庫
マイクル・コナリー / 古沢 嘉通
2016年9月15日
講談社
1,012円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
絞殺体に残った血痕。DNA再調査で浮上した容疑者は当時8歳の少年だった。ロス市警未解決事件班のボッシュは有名ホテルでの要人転落事件と並行して捜査を進めていくが、事態は思った以上にタフな展開を見せる。2つの難事件の深まる謎と闇!許されざる者をとことん追い詰めていく緊迫のミステリー!
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toruo
(無題)
作者のハリー・ボッシュ・シリーズは当代最高のハードボイルドと言われており、自分もそう思っていたのだが最近ちょっと停滞気味というかあれ?っという作品が続いて香港を舞台にした前作などははっきり言ってかなりひどく、もうダメかなと思ってたのだけど、結論から言うとかなり復活した感じがする。 原題「Drop」は、①主人公の定年延長制度の略称、②未解決事件班に属する主人公が割り当てられた昔の強姦殺人事件で証拠の犯人から"落ちた"血液が当時8歳の子供のものだったこと、③主人公の仇敵、元ロサンゼルス市警副本部長の息子がホテルから"転落"死した事件、の三つを意味している。 並行して語られる二つの事件、政治的な圧力と争い、主人公の私生活、が渾然一体とりつつもすっきりと語られる様はもはや名人芸。 自作が楽しみなシリーズが復活したことが嬉しい。
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