灰色の密命(上) 1919年三部作 2
講談社文庫
ロバート・ゴダード / 北田 絵里子
2017年3月15日
講談社
1,100円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
父ヘンリーの秘密を握るドイツのスパイ網指揮者レンマー。彼を陥れるべく敢えてドイツのスパイとなったマックスはスコットランド最北に抑留中のドイツ軍艦から極秘ファイルの回収を命じられる。レンマー打倒の材料となるファイルを携えマックスはロンドンをめざす。スリルと疾走感溢れる極上スパイミステリ!
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(無題)
第一次大戦の後始末を題材にとったエスピオナージュ三部作の二作目。前作で父の死の真相を突き止める中で凄腕のドイツのスパイの元締めに目をつけられた主人公。その正体を突き止めようと二重スパイに志願し部下となるところで前作は終わり。本作で主人公は初めてのスパイ活動としてイギリスの港に抑留されているドイツ戦艦からあるファイルを入手してくるよう指示を受ける。なんとか目当てのものは入手できたのだがそこから誰が味方か分からない状態に突入し、という展開。本作から敵役として日本人が登場。西園寺公望のライヴァルで冷酷非道な侯爵〜通称「旅順の虐殺者」〜が登場、主人公とその周囲の人間を追い詰める。前作でもディケンズ的、と思ったが人がバタバタ殺される話の割にどこか長閑な雰囲気が漂っていて面白い。ついに主人公の運命やいかに?!みたいな終わり方をしていて三作目をどうしても読まなければならない展開になっているところも面白い。
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