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汚名(上)
講談社文庫
マイクル・コナリー / 古沢 嘉通
2020年8月12日
講談社
968円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
サンフェルナンド市警の刑事として、自発的に未解決事件捜査にあたっているボッシュ。三十年ほど前に逮捕し、服役中の死刑囚連続殺人犯ボーダーズに関し、新たな証拠が出たとして、再審が開かれる見込みだと聞かされる。一方、薬局経営の親子が銃殺されるという事件が所轄で発生、麻薬捜査に駆りだされる。
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toruo
(無題)
もう何作目だろう...すっかり長寿シリーズとなった刑事もの。ベトナム戦争に従軍していた主人公は長年勤めて再雇用されていたロサンゼルス市警をあまりよくない形で辞め、現在は隣街の小さな警察で無給の予備刑事として主に未解決事件の捜査と後進の指導にあたっている。そんな彼の元にロス市警での元パートナーが検事を連れて現れ、昔彼が逮捕し死刑が確定している婦女暴行犯の証拠に問題があることがわかったために再捜査が始まるという。一方で薬局の薬剤師親子が射殺されるという大事件が起こり、主人公は過去の証拠捏造の疑惑に異母弟の弁護士と取り組みつつ一方で経験に乏しい警官たちを指導しながら射殺事件にも取り組んで...という話。もはや老人となった主人公が危険な潜入捜査に取り組みながら一方で完全に落ち度がないように見える自身の過去への告発とも取り組む、という展開だが2つの物語を破綻なくきれいにまとめているあたりは流石という他ない。かってのパートナーが意外な形で登場しそれなりに活躍するところも楽しい。一時中だるみというか低迷しかけたシリーズだがかなり持ち直しかなり素晴らしくなっている。これは良かった。おすすめ。
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