
執権 北条氏と鎌倉幕府
講談社学術文庫
細川 重男
2019年10月12日
講談社
1,100円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
【2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 主演小栗旬が演じる北条義時のことがよくわかる!】 北条氏はなぜ将軍にならなかったのか。 なぜ鎌倉武士たちはあれほどに抗争を繰り返したのか。 執権政治、得宗専制を成立せしめた論理と政治構造とは。 承久の乱を制し、執権への権力集中を成し遂げた義時と、蒙古侵略による危機の中、得宗による独裁体制を築いた時宗。 この二人を軸にして、これまでになく明快に鎌倉幕府の政治史を見通す画期的論考! 【本書より】 ・鎌倉北条氏は、そもそもどのような家であったのか。 ・「得宗」とは、いったいどういう意味なのか。 ・これは事実自体がほとんど知られていないが、鎌倉将軍には実は四人目の源氏将軍が存在した。第七代将軍源惟康がその人である。鎌倉幕府が空前の強敵蒙古帝国と対峙したこの時期、なぜ鎌倉幕府は源氏の将軍を戴いていたのであろうか。 ーこれらの問題を追究するためには、どのような方法が有効なのであろうか。 まず、鎌倉幕府の通史や北条氏歴代の伝記を書くつもりはない。なぜならば、この本は北条氏という「一族の物語」ではなく、「一族の物語」の底を流れる「基調低音」を書くことが目的だと思うからである。表面的に幕府や北条氏の歴史をなぞっても、我々が求める答には辿り着けないはずである。 そこで私は鎌倉北条氏歴代のなかからキー・マンとして二人の「執権」を選んだ。承久の乱で仲恭天皇を廃位し後鳥羽・土御門・順徳の三上皇を配流(流刑)した「究極の朝敵」、第二代執権北条義時と、蒙古帝国の侵略を撃退した「救国の英雄」第八代執権、北条時宗である。 世間一般の評価に極端な隔りのあるこの高祖父(ひいひいおじいさん)と玄孫(ひいひいまご)の人生に注目することにより、答に迫りたいと考える。 この試みが成功し、見事、解答に至れるかどうかは、わからない。「とりあえず付き合ってやるか?」と思った読者と共に旅に出るとしよう。 【本書の内容】 はじめにー素朴な疑問 第一章 北条氏という家 第二章 江間小四郎義時の軌跡ー伝説が意味するもの 第三章 相模太郎時宗の自画像ー内戦が意味するもの 第四章 辺境の独裁者ー四人目の源氏将軍が意味するもの 第五章 カリスマ去って後 おわりにー胎蔵せしもの ※本書は2011年に講談社選書メチエより刊行された『北条氏と鎌倉幕府』を原本としています。 はじめにー素朴な疑問 第一章 北条氏という家 第二章 江間小四郎義時の軌跡ー伝説が意味するもの 第三章 相模太郎時宗の自画像ー内戦が意味するもの 第四章 辺境の独裁者ー四人目の源氏将軍が意味するもの 第五章 カリスマ去って後 おわりにー胎蔵せしもの
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toruo
(無題)
鎌倉の北条氏は源氏の将軍の血筋が絶えたとき事実上の日本の支配者であったのになぜ傀儡の将軍を立てて表向きはナンバーツーのポジションを通したのか、という疑問が自分にもあったので手にとってみた。実際なぜだったのかがわかったところでどうなんだ、と言われたら困るけども(笑)武内宿禰と神功皇后まで出てくるとは予想していなかったけれど作者の論旨やその裏付けは納得感のあるものでなるほど、と思わせられた。それよりも学術文庫ということもあり固い内容を想像していたのだけれど軽妙な語り口に驚き。系図の説明に書いてる方もつまらないのだが必要なので付き合ってほしい、などと書かれているし全般的にそんなトーンで重苦しさが皆無、読みものとして楽しめました。それにしても鎌倉には当時その名も「好色の店」が軒を連ねていて真っ昼間から幕府の要職にある連中がどんちゃん騒ぎ、酔った挙げ句に店の中で弓矢を放ってそれが隣の店の同じく有力御家人の宴会に飛び込んであわや内乱になりかけた、とちゃんと当時の史書に書かれているのだそうで「要は野蛮人」の政権だったのだ、という説明にはちょっと笑ってしまった。勝手にストイックな武士達の姿を想像していたので...など色んな意味で予想を裏切られました。面白かった。
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