執権 北条氏と鎌倉幕府

講談社学術文庫

細川 重男

2019年10月12日

講談社

1,100円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

北条氏はなぜ将軍にならなかったのか。なぜ鎌倉武士たちは果てなく抗争を繰り返したのか。執権政治、得宗専制を成立せしめた論理と政治構造とは。幕府草創期を支え、承久の乱を制し、執権への権力集中を成し遂げた義時と、一三世紀後半の蒙古侵攻という危機のなか得宗独裁体制を築いた時宗。二人を軸に、明快に鎌倉幕府の政治史を見通す画期的論考!

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

鎌倉の北条氏は源氏の将軍の血筋が絶えたとき事実上の日本の支配者であったのになぜ傀儡の将軍を立てて表向きはナンバーツーのポジションを通したのか、という疑問が自分にもあったので手にとってみた。実際なぜだったのかがわかったところでどうなんだ、と言われたら困るけども(笑)武内宿禰と神功皇后まで出てくるとは予想していなかったけれど作者の論旨やその裏付けは納得感のあるものでなるほど、と思わせられた。それよりも学術文庫ということもあり固い内容を想像していたのだけれど軽妙な語り口に驚き。系図の説明に書いてる方もつまらないのだが必要なので付き合ってほしい、などと書かれているし全般的にそんなトーンで重苦しさが皆無、読みものとして楽しめました。それにしても鎌倉には当時その名も「好色の店」が軒を連ねていて真っ昼間から幕府の要職にある連中がどんちゃん騒ぎ、酔った挙げ句に店の中で弓矢を放ってそれが隣の店の同じく有力御家人の宴会に飛び込んであわや内乱になりかけた、とちゃんと当時の史書に書かれているのだそうで「要は野蛮人」の政権だったのだ、という説明にはちょっと笑ってしまった。勝手にストイックな武士達の姿を想像していたので...など色んな意味で予想を裏切られました。面白かった。

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