京都岡崎、月白さんとこ 人嫌いの絵師とふたりぼっちの姉妹

集英社オレンジ文庫

相川 真 / くじょう

2020年9月18日

集英社

682円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

優しかった父が死んで、身よりを失った女子高生の茜と妹のすみれは、親戚筋の久我家に住まわせてもらうこととなった。 久我家は京都東山の麓、岡崎の広い敷地に「月白邸」と呼ばれる大きな日本家屋を構えており、二人はそこで、家主で若き日本画家の精鋭・青藍と、彼の友人で陽だまりのように明るい絵具商の青年・陽時に出会う。 人間嫌いで変人という噂の青藍は、酒浸りの破綻した生活を送っており、茜たちに対する態度も剣呑としたものだった。 戸惑いつつも茜は、上七軒で父が営んでいた喫茶店で出していた食事を、青藍と陽時に振る舞うようになり・・・。 そして、亡き父の遺した掛け軸を見つめる青藍のまなざしの優しさに気づいた茜は・・・? 月白邸に集う人々の、じんわり優しい心の再生物語。

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