中国経済 あやうい本質
集英社新書
浜矩子
2012年3月31日
集英社
770円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 新書
21世紀的グローバル・ジャングルの過当競争のなかで、大量のマネーを招き寄せ、バブルを起こしながら、19世紀的労働条件・生活環境を庶民に強いて、経済成長を追い求める中国。新旧ふたつの世紀を同時に生きる中国経済の矛盾、ふくらむバブルが破裂した後に世界に及ぼす影響を当代一流のエコノミストが鋭利に分析!世界経済全体がメルトダウンを起こしつつある今、矛盾の集積地・中国と日本が共存する道を考える。
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21世紀的グローバル・ジャングルの過当競争のなかで、大量のマネーを招き寄せ、バブルを起こしながら、19世紀的労働条件・生活環境を庶民に強いて、経済成長を追い求める中国。新旧ふたつの世紀を同時に生きる中国経済の矛盾、ふくらむバブルが破裂した後に世界に及ぼす影響を当代一流のエコノミストが鋭利に分析!。世界経済全体がメルトダウンを起こしつつある今、矛盾の集積地・中国と日本が共存する道を考える。 さらに著者は、冒頭で、自分は中国専門家ではないし、この本についても「中国経済論を語ろうとしているわけではない」と言う。実際、そういう意図でこの本を読めば、がっかりするだろう。 そういうものではなくて、この本は、中国を手がかりにして、日本やグローバル経済のあり方を考える本だといえる。そういう視点で見ると、この本は、半分は成功していると感じる。 一つ大事なことは、グローバル経済のジャングルの中で、そこを生き抜く経済はどんなものかという視点である。実際、ものを安くつくろうとすれば中国に生産拠点を移さざるを得ないし、日本に止まる場合は賃下げが当然だという環境になりつつある。 著者は、そこに発想の転換を求めているように見える。中国は、世界が自国を工場にしてくれることを望んでいる。世界は、中国が自分たちの工場になってくれることを望んでいる。それは、勝ち負けの構図ではなく、共存共栄の構図ではないかと。 だから、実はグローバル・ジャングルというのは、住みやすい場所かもしれない。問題はつきあい方だというのが、浜の考えである。 そして、そのつきあい方として大事なのは、中小企業間の横の連携だという。大企業の傘下に下請け企業がつらなる構造では、グローバル化のなかでは下の方が犠牲になる。だけど、横の連携で、それを打開できるのではないかと浜は主張する。その具体策はまだ詳細に展開されていないのだが、とても興味深かった。 もう一つ、日本と中国の比較論も面白い。日本は「おとなになりたくない病」で、中国は「おとなになりきれない病」と言う。 日本は、まだまだ昔の若者の時期のように、成長を追い求めている。もうかつてのような成長は無理なのに。 一方、中国も、疾走の時代が過ぎて、バランスのとれた経済をめざさなければならない。成長より、分配が必要になっているのに、まだまだおとなになりきれない。 だから、日本と中国は、うまくいくかもしれない。若者は体力を提供し、高齢者は知恵を提供するような関係になれれば、人もうらやむような関係になるかもというのが、浜の考えである。
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(無題)
2012/04/05三菱東京UFJ銀行の上海支店長が来社して話していたことと相当ダブる内容だった。中国は今後10年間に渡って毎年10%近くの経済成長は続けるだろうとのこと。 「最近手抜きの多い「浜本」だけど、とりわけこの本の内容については、「なんで、こんな本書いたん?」って気がしないでもない。まだまだ老け込む年齢でもないはず。」とAmazonの書評にあったがその通り。
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