短編少女

集英社文庫(日本)

三浦 しをん / 荻原 浩

2017年4月20日

集英社

682円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

恋に恋する女の子のささやかな成長。家出した少女の冒険と、目の当たりにした社会の現実。早熟な少年が抱く不安と、それをほぐす少女のやさしさ。-人気作家が「少女」をキーワードに綴った傑作短編9編を収録。多感な時期の憂しやときめき、ときに切ない気持ち。そしてそれらの先にある成長を、思い出のアルバムをめくるように楽しんでください。それぞれの作家の魅力も体感できる贅沢な一冊。

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(3

starstar
star
2.8

読みたい

7

未読

15

読書中

1

既読

23

未指定

40

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー (1)

Readeeユーザー

(無題)

-- 2019年12月05日

・『てっぺん信号』三浦しをん2017/08/30 フランスかぶれの家族を持ちながらもクォーターの恩恵を全く受けない江美里と美女のしづく、美男の奥寺先輩、しづくと奥寺先輩が付き合うことによって唯一開いていた窓が塞がれたと感じ、閉塞感から普段では思いもよらない行動に走る。 江美里の行動はぼっちからの緊急脱出装置なのだろう。望まなくしてぼっちだった彼女が、しづくという唯一の線から裏切られたとき、再びあの頃の寂しさに対する恐怖である。 ブスでもなんでもやりたいことを自由にやる。篠原から聞かされた言葉にはっとした江美里は家族、友達、好きな人。その自由に見える全てが脳裏をよぎったに違いない。もっとも、それは自由に見えるというだけであり、他者から見れば他者自身は自由ではないのかもしれない。しづくだって本当に自由なら江美里への負い目なんて存在しないはずである。そう考えると、誰かと線を結ぶために対価として自由を支払っているのかもしれない ・『空は今日もスカイ』荻原浩2017/08/30 とある理由で田舎に引っ越してきた茜は家出を決意する。虐待にあっているフォレストを引き連れて海を目指すのだ。 小学3年生の不自由さがどうすることもできなくて逃避、家出を選択してしまう。 対比が巧みである。同世代のなかでも香澄とフォレストの対比、現実を象徴する日本語と逃避世界の言語であるカタコト英語、ブルーとグリーンとオレンジの色使い。 三浦しをんといい、少女=後先考えない現実逃避という結びつけが過ぎないだろうか ・『やさしい風の道』道尾秀介2017/08/30 自分は死んだ姉の代わりだと思っていた章也が、それが本当なのかかつての家を訪れる。 板挟みのアイデンティティである。姉の話をする親戚は自分は姉の代わりであるのだとみなし、自分のアイデンティティが失われてしまう。かといって死者を忘れてしまうのではという葛藤もある。そうすると姉のアイデンティティが失われる。姉は後者を望んでいる節があるが。 幽霊見える話において、今作は珍しい。普通に会話が成立していて、章也の作った幻想というわけでもどうやらない。自律しているタイプだが、新しい情報をもたらさないという鉄板は抑えている。 少女というテーマだが、テーマ消化は幽霊の姉、翔子ではなく、雨の前兆の風「少女風」であろう。主人公を少女にすればよいものを、あえて少年にした理由も意図も分からないがきっとあると考えられる。聞いてみたくもある。 ・『モーガン』中島京子2017/09/02 怪物同士の間では人気の「モーガン」。主人公クミコもモーガンが好きであり、モーガンは事実強い。けれどモーガンにも心の闇があって弱いところがある。でなければ彼女は怪物カルテットではないのだ。モーガンは全く関係のないおじいさん出会っても体が勝手に動く。そしてその弱いところを好きなのに意図せずしてほじってしまうクミコの後悔と自責。けれど物語自体は稲垣とダブルべと和解し、円満に終わる。現実だったらきっとそのまま忘れてしまうのだろうなとか考える私はきっと物語を作ってはいけないのだろうなと思うよ ・『宗像くんと万年筆事件』中田永一 まさか「少女」というキーワードで小事件解決モノが見れるとは思わなかった。主人公は万年筆を盗んだという冤罪をふっかけられる。宗像くんは冤罪を証明すべく聞き込みを開始する。 宗像くんと海野くんの対比がくっきりしていた。家は金持ち、清潔感はある、班長をやるような人望まである海野くんに対し、家は夜逃げするほど貧乏で、いつもフケかかってる宗像くん。たしかに海野くんに傾きがちだけど、国分寺先生、あんたはやりすぎだ。あそこまで過剰反応すると、真犯人は国分寺先生か?と勘ぐってしまった。それから途中で海野くんが犯人だと言ってしまうことに必要性はあったのか。あと宗像くんキレ者すぎ。小学生で引っ掛けトリックまで用意するってコ◯ン君かよ ・『haircut17』加藤千恵 ・『薄荷』橋本紡 ・『きよしこの夜』島本理生 ・『イエスタデイ』村山由佳

全部を表示
Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください