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ほどほど快適生活百科
群 ようこ
2018年2月26日
集英社
1,540円(税込)
小説・エッセイ
試行錯誤しながら見つけた、等身大の暮らしの知恵が詰まったエッセイ集。衣食住、健康、お金、仕事、趣味、人間関係、エイジング…悩み多き暮らしのあれこれを、今よりもう少し快適に、もう少し楽しくするための100のルール&ヒント。
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(無題)
私は毎日が日曜日だから、夕方になると「あー、今日もまた無為に過ごしてしまった」との思いが胸をよぎる。かつて生産活動に従事していた頃に味わった充実感の残滓がこんな思いを引き起こさせるのだろう。今は消費活動オンリーなのだから、これで良いはずなのだが、そこはかとなく罪悪感が漂う。そんな暮らしの毎日を生活という。その実態は「衣食住」にあると思っていたが、それは最低限であり、快適さを求めればまだまだ他の要素がある事に気付かされた。例えば、健康。そう、老齢期になれば、何を差し置いても「健康」こそ第一である。健康のためだったら死んでもいいくらいである。次いで「お金」。やはり年金だけでは心許ない。いくばくかの余裕資金を手元に用意したい。誰だって旅行や外食を楽しみたいと思うものだ。それから、趣味、娯楽。現役時代は仕事さえしていれば、ある種の満足感を得ることができた。「仕事」の名の下に誤魔化しが通用したのであるが、リタイア後はそうはいかない。本当に満足できるものを見つけるのは至難の技だ。そう、老後を快適に過ごそうと思ったら、相当な努力を強いられるのだ。 まー、それはそれとして、本書である。一言で言えば「らしくない」のである。内容があまりにも当たり前すぎて、著者本来の脱力感がどこかに飛んでいってしまったようだ。著述業で生活している著者のこと、神が降臨して思ってみない文章が自動筆記できたり、反対にスランプの時もあるだろう。いつもいつも読者を喜ばせられるわけじゃないのだろうなぁ。
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