にじいろガーデン

小川糸

2014年10月31日

集英社

1,540円(税込)

小説・エッセイ

別居中の夫との関係に苦しんでいた泉は、両親との関係に悩み、命を絶とうとしていた千代子と出会う。戸惑いながらも、お互いをかけがえのない存在だと気づいたふたりは、泉の一人息子・草介を連れて、星がきれいな山里「マチュピチュ村」へと駆け落ち。新しい生活が始まるー。特別なようでいてどこにでもいる、温かな家族の物語。

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Readeeユーザー

泣きました。

starstarstarstarstar 5.0 2020年03月28日

人と人の関係とは、優しさとは、思いやりとは、考えさせられました。レインボーの意味が自然と心に深く入ってきています。家族四人それぞれの立場での眺めが素敵です。

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minirezo

5つの視点で描かれたグラデーションのある物語

starstarstarstarstar 5.0 2019年11月18日

小川糸さんの作品を手にしたのは初めてのこと。パートナーから借りて読みました。とても素敵な作品です。現代のトレンドだとか話題というものを作品に取り入れていて(例えばレズビアンだとかゲストハウスだとか同性婚だとか母子の関係性だとか)、新たな視点の発見や共感がいくつもありました。 また、物語の現実味をとても感じました。ありうる話だ、と。 僕は、こんなにも愛のあるオハナのことがとても好きだし、いつか、ゲストハウス 虹のような、そんな素敵な場所をつくりたい。 とても長いので3日かかってしまいましたが、文章自体はとても読みやすいです。また読みたい作品。

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Readeeユーザー

(無題)

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4.2 2019年06月05日

小川糸の作品にしては、随分と直裁的な性の表現が目立つなぁ、珍しいなぁ、と思っていたが、レズのカップルをモチーフに家族を描いた作品と知るにつけ、それももっともだと一人合点した次第だ。 泉と千代子のカップルである。泉は平凡な生活に何の疑問も持たずに生きてきた。普通に結婚をして7歳になる草介を設けた35歳。しかし、どうにも夫との間が上手くいかず、現在は別居中である。泉はこれまで自分がレズビアンである自覚は全くかった。19歳の千代子は自らの性的傾向に悩み両親にカミングアウトしていた。医師である父親は「恥知らず」の一言で片付け、千代子を元々いなかったかのように扱った。絶望の淵に立った千代子と泉が出会い、お互いをかけがえのない存在だと気づいた。二人は泉の一人息子・草介を連れて、星がきれいな山里「マチュピチュ村」へと駆け落ちしたのだった。そして千代子の妊娠が明らかになり、新たな家族・宝を加えての新生活が始まった。ここまでが第1章「駆け落ち」のあらすじである。 そして第2章は千代子の視点から物語が展開していく。駆け落ちした新天地でゲストハウスを経営するのであった。第3章は草太の視点、4章は宝の視点である。3章4章は涙無くして読むことはできない。血によらない、あるいは夫婦によらない家族が織りなす日常がこれほどまでに幸せに満ちたものであるならば、そんな家族を選択する権利は誰にでもあるはずだ。人は何のために生きるのか。それは幸せを求めてだから、幸せであれば多数派に迎合することは何もない。

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