下町ロケット
池井戸 潤
2010年11月30日
小学館
1,870円(税込)
小説・エッセイ
取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」-佃製作所、まさに崖っプチ。
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さすがに、直木賞受賞作だけのことはある。面白い。資本主義は本来、弱肉強食の凶暴性を内に秘めている。さりとて我々は、資本主義に変わりうる経済体制を手にいれている訳では無い。であるならば、野放しの市場原理主義ではなく、マーケットに対する何らかの規制を持って臨まなくてはならない。池井戸の企業小説の面白さは、剥き出しの凶暴性が支配する経済ジャングルの中で弱者が散々にいたぶられた末に、遂には勝利する物語を紡ぎ出す爽快感にある。 さて、本作の内容であるが、主人公の佃航平は、中堅精密機械メーカー佃製作所の社長。父親の死をきっかけに家業をついだのだが、前職は宇宙化学開発機構の研究員で専門はロケットエンジンであった。大口得意先を失って赤字転落した上に、大手メーカーから特許侵害による巨額の損害賠償訴訟を起こされた。先行き不安になっていたところ、別れた妻の紹介で特許訴訟のエキスパートの弁護士が見方に。弁護士のアドバイスで、今まで取得していた特許の周辺特許まですべて抑えるという特許戦略に転換すると、思わぬ大魚が釣れる。日本の宇宙開発を代表する帝国重工の宇宙ロケット開発部隊だった。帝国重工は自社開発のバルブの特許を申請したところ、佃製作所の特許申請が早かったために特許が認められなかったのだ。 ロケットはバルブを多数使用する。佃製作所の特許がないと帝国重工は世界の宇宙ロケット開発競争で優位に立てないことがわかった。帝国重工の財前宇宙航空部宇宙開発グループ部長は赤字経営の佃製作所に乗り込み、バルブの特許を20億円で買いたいと持ちかける。 佃品質、佃プライドを合言葉に、自社部品を供給してロケットを飛ばすという夢を実現したい佃と、ライセンス料を払ってキーコンポーネントは内製したい帝国重工のせめぎ合いが始まる。
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まる
面白いけど私には向いてない。
会社って胃の痛くなるような出来事の連続で。 まさか本読んでて胃がやられるとは思わなかった。 面白かったのに、胃痛が怖くて続編は読めません。
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