運命のひと

山本 甲士

2018年1月4日

小学館

737円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

岩瀬修は文具会社の重役である。少年時代に夢中になった任侠映画の記憶は、やがて忘れ得ぬ人たちの思い出へとつながった。高倉健のファンだった修は、映画を観たいがために家業の立ち飲みコーナーを手伝うようになり、ヤクザと煙たがられていたおっちゃんと知り合う。同じ頃、従姉妹の弥生が越してきたのだが、心臓が弱く入院生活を送り始めた。その弥生に学校のプリントを届けに行くようにもなった。弥生は頭がよく本好きで、絵も抜群に上手かった。二人との出会いは、修の人生にかけがえのないものを刻んでいく。読み終えて、きっと温かな涙をもよおす傑作。

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