最終退行〔小学館文庫〕

池井戸 潤

2007年5月15日

小学館

722円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

都市銀行の中でも「負け組」といわれる東京第一銀行の副支店長・蓮沼鶏二は、締め付けを図る本部と、不況に苦しむ取引先や現場行員との板挟みに遭っていた。一方、かつての頭取はバブル期の放漫経営の責任をもとらず会長として院政を敷き、なおも私腹を肥やそうとしている。リストラされた行員が意趣返しに罠を仕掛けるが、蓮沼はその攻防から大がかりな不正の匂いをかぎつけ、ついに反旗を翻す。日本型金融システムの崩壊を背景に、サラリーマン社会の構造的欠陥を浮き彫りにする長編ミステリー。

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starstarstarstar 4.0 2019年04月30日

Readeeユーザー

(無題)

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3.8 2018年01月27日

企業小説それも中小企業を舞台とした小説を書かせたら天下一品と評価が高い著者、バブル期に旧三菱銀行に入行した著者が7年間も務めたのは中小企業向けの融資という仕事が面白かったからだと言う。中小企業向けの融資に従事している中で、様々な人々の息遣いを生で知ったからこそ、彼が書く中小企業を舞台にした小説は生々しさが在って面白いのだろう。 ペイオフ解禁で預金流出に歯止めがかからず、今や完全な負け組となった東京第一銀行、その羽田支店の副支店長・蓮沼鶏二、40歳。融資課長を兼務する彼は、激務のため、誰よりも遅くまで残業する。だから当番でもないのにしばしば「最終退行」キーを預けられる。さて、東京第一銀行はバランスシート改善のためにリバイバルプランを実施。有り体に言えば貸し剥がしである。銀行本部の意向と、不況に苦しむ取引先や現場行員との板挟となっていた蓮沼であった。一方、東京第一銀行をバブル期の放漫経営の末に業績悪化に追い込んだ元頭取の久遠は、会長として院政を敷き、なおも私腹を肥やそうとしていた。東京第一銀行をリストラされた塔山は、久遠に対する意趣返しに、かつて旧日本軍が軍再興のために東京湾に隠したというM資金を種に久遠に対して罠を仕掛ける。 そんな状況の中、少しでも取引先のことを思いやろうとする蓮沼だが、支店長の谷は、ある中小企業の社長を騙して貸し剥がしを行う。その会社は不渡りを出して倒産、銀行は四億円の損失を出す。 谷にその責任をなすり付けられた蓮沼は減俸の憂き目に合う。その一方で東京第一銀行は大手ゼネコンに対する二千億円の債権放棄を決定。そこに不正のにおいを嗅ぎ取った蓮沼は、信賞必罰が銀行の方針だと言うならば糾弾されるのは会長の久遠であると考え、その不正を暴くべく行動を起こすのであった。

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