
ようこそ、わが家へ
池井戸 潤
2013年7月31日
小学館
935円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
恐怖のゲームがはじまった 真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。 花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。 執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。 一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから、窮地に追い込まれていく。 直木賞作家が“身近に潜む恐怖”を描く文庫オリジナル長編。
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(無題)
ほのぼのとしたホームドラマを思わせる書名とは裏腹に読者は、主人公の倉田とともに不気味な不安感に引きずりこまれます。池井戸の筆力は流石です。争いごとを嫌い、他人に迷惑をかけない事を信条とする市井の庶民が正体不明の悪意の標的となったとき、人は何ができるでしょうか。この物語は半沢直樹のように「倍返し」どころか、自分に理があっても相手にやり込められてすごすごと引き下がる情けなくも、誠実な男のお話です。 倉田は帰宅途中、駅のホームで無理やり割り込んできた男を注意しました。いつもなら見て見ぬふりをするところですが、娘と同年輩の若い女性が危険な目に会いそうなので、思わずとった行動でした。その日以来、倉田家には数々の嫌がらせが相次ぐのでした。妻が丹精込めた花壇の花が引き抜かれ、ポストに瀕死の猫が入れられ、息子の自転車が壊され、車に傷をつけられ、タイヤはパンクと言った被害です。そこで倉田家では家族一丸となって、犯人を捕まえようと策を練るのでした。 一方、倉田は、職場でも深刻な問題に直面していました。商品在庫の不一致、交通費の二重取り、あるはずのドリルがなく、ないはずのドリルがある不可思議な現象、巨額の入金漏れです。これらの事態には全て営業部長が絡んでおり、幾度となく倉田は彼を追及しますが、口八丁手八丁で逃げ回ります。 最終的に倉田は家族と総務部の部下の協力で理不尽な事態から脱することができます。ストーカーまがいの犯人を逮捕する決め手となったのは、自宅に設置した防犯カメラの映像でした。「ようこそ我が家へ」とは、防犯カメラに映し出された犯人への皮肉なメッセージだったのでしょうか。
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taboke
(無題)
二重のサスペンス。1冊で2度美味しい。
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