斜陽改版

文学的表現が溢れててもう一度しっかり噛み締めながら読みたいと思った。個人的に直治の遺書が印象的で心打たれた。

叶わぬと分かっていながらのひたむきな、痛さや儚さ、苦しさや悲しみも兼ねられたまっすぐな恋の話。

お母様が好き。時代には合わなくても、自分を変えることをせず品位を持って佇むところを素敵だなあと思った。時代の変わり目には流れについていくことができない犠牲者がいることは、感慨深い。歴史の転換点で、犠牲者にスポットライトを当てる視線は興味深い。

じわじわ来る。落ちていく貴族一家を馬鹿だなぁ…と感じつつ、その儚さを美しいとも感じた。