グッド・バイ

新潮文庫 たー2-8 新潮文庫

太宰 治

1972年8月1日

新潮社

605円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

被災・疎開の極限状況から敗戦という未曽有の経験の中で、我が身を燃焼させつつ書きのこした後期作品16編。太宰最後の境地をかいま見させる未完の絶筆『グッド・バイ』をはじめ、時代の転換に触発された痛切なる告白『苦悩の年鑑』『十五年間』、戦前戦中と毫も変らない戦後の現実、どうにもならぬ日本人への絶望を吐露した2戯曲『冬の花火』『春の枯葉』ほか『饗応夫人』『眉山』など。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2019年10月08日

人間失格を映画で観たこととは直接関係があるようには思えないがなんとはなく太宰治が懐かしく読みたくなった。 薄明 苦悩の年間 十五年間 男女同権 饗応夫人 グッドバイ 今はこれだけ。 明日もまた読もう。 「苦悩の年間」と「十五年間」のラストの太宰のユートピアには少し驚いた。 ここに来て本音が出たのか はたまたアイロニーなのか どこまでが本心なのだろう。 太宰は嘘つきだからわからない。 饗応夫人 他者を思いやって〜というより他者にひたすら悪く思われたくない偽善から来るつまらないサービス精神が身につまされる。 それはあとがきの奥野先生によると無償の美、人間の(女性の?)悲しい弱さ美しさとなるらしい。 しかしこの饗応夫人が笹島医師に惹かれていたのだと思うと全く違う話に思えてくる(私は初めからそう読んでいたのだけれど、、) グッドバイは何回読み返しても面白い。 薬など飲まなければ文壇や世間のこともそこまで恐れなかったかもしれないし心中もなかったかもしれない。 この調子で手を替え品を替え書き続けていたらもしかして小説版ウディアレンのような楽しい読み物がもっとたくさん読めたかもしれないのにと残念に思う。 太宰は結局妻に拘ったように見えて(蜷川さんもそういう解釈)実はどの女性にもマックスでサービス精神を捧げているように思える。 神経衰弱な上に多くの女性達には放っておかれず、またそれが満更でもなく誰にも良い顔をし必然追い詰められ袋小路に立たされたわけで 誰か一人を愛し抜いたりなどはしていなかったと私は思う。 気の弱い男だったのだ。 妻には お前だけを愛していましたという遺書(なのに妻を紹介してくれた井伏さんを悪人という矛盾) 太田には娘に治の字と後世に遺る斜陽という作品 山崎富栄には死という永遠

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