海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1
新潮文庫 新潮文庫
塩野 七生
2009年6月30日
新潮社
605円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
ローマ帝国滅亡後、他国の侵略も絶えないイタリア半島にあって、一千年もの長きにわたり、自由と独立を守り続けたヴェネツィア共和国。外交と貿易、そして軍事力を巧みに駆使し、徹底して共同体の利益を追求した稀有なるリアリスト集団はいかにして誕生したのか。ヴェネツィア共和国の壮大な興亡史が今、幕を開ける。「ルネサンス著作集」中の大作、待望の文庫化、全六冊。
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(無題)
塩野女史の本を読むのは随分と久方ぶりになります。以前から思っていたけれども、彼女の著作は歴史エッセイであって小説ではないと思う。小説として扱うには文体が説明的すぎるし、想像力でふくらませた部分があるわけでもない。せいぜいが学者の諸説を検討してそれに解釈を加えているくらい。なので、歴史小説と思って読むのは見当違いだと思う。 あまり一気呵成に読めるタイプの本ではないところから(出版社の販売戦略とか感じないでもない)、この新潮文庫版は細切れになっている分、少しずつ読み進めていくのに適している。第一巻はヴェネツィア共和国の興りから第四次十字軍とコンスタンチノープルの陥落まで。
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