
キケン
新潮文庫
有川 浩
2013年6月26日
新潮社
605円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称「キケン」。部長・上野、副部長・大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から忌み畏れられていた。これは、理系男子たちの爆発的熱量と共に駆け抜けた、その黄金時代を描く青春物語である。
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(無題)
痛快無比。頭の中をカラッポにして楽しめる。レベルの高いエンタメ小説だ。大人になりきる前の男の子が本気でアソブ姿は、男子ばかりか女子にも魅力的に映るはずだ。そう、本書は理系男子の青春物語なのだ。ところで、理系男子は自嘲を込めて自らを「コミュ障」と呼ぶ。論理構成と言語環境の違う世界に生きる女子は、理系男子にとって理解しがたい別生物だ。男子進学校→工業大学の進路を取った理系男子は女子とコミュニケーションをとる機会は皆無に等しい。だから、女子の得意技・恋愛は、最も苦手とするところだ。本書でもその辺の機微は、面白ろ可笑しく描かれている。しかし、本線はあくまで理系男子における仲間内のハチャメチャさだ。 キケンとは危険ではないのか、と誰しもが思うところだ。成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、通称・キケンが表向きの名称だ。ところが、このサークル実は危険なのだ。危険人物の筆頭は部長の上野直也。「成南のユナ・ボマー」の異名を取る爆弾狂。もうひとりが副部長の大神宏明。普段は温厚だが、怒ると上野でも手に負えない。本当は大魔神の方が相応しいのだが、「魔」が抜けて大神。そして、この二人に絡むのが本作の狂言回し元山高彦。実家が喫茶店なので「お店の子」。それから池谷悟。大抵のことには動じない落ち着いた性格なので、ロボット相撲では操縦者として活躍。 物語は、キケンが大学祭の模擬店で出すラーメン屋が空前の売り上げをあげるところがクライマックス。店長に任命された元山が秘伝のスープを創りだす。鶏ガラの内臓や肋骨を前に、部員たちがびびっている様子などはリアルである。さらに上野のクレージーライダーぶりは圧巻で、アクションは犯罪スレスレ。
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こんな青春に憧れる
スカッと気持ちよくなりたいならこれ! 軽く読めて、とても面白い
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