聖家族(上巻)

新潮文庫

古川日出男

2014年1月29日

新潮社

924円(税込)

小説・エッセイ

狗塚羊二郎は囚われていた。殺人罪。死刑。なぜ彼は人を殺したのか。なぜ彼は殺人術を使えたのかー。聞こえてくる兄の声。妹の訪問。祖母が語る歴史。やがて過去、現在、未来は混濁し、青森の名家・狗塚家に記憶された東北の「正史」が紐解かれる。戦国時代から明治維新、戊辰戦争から太平洋戦争へ。時空を貫く血の系譜は、どこに向かう…?狗塚三兄弟が疾走する「妄想の東北」。

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-- 2019年12月24日

古川日出男「聖家族」

物語の中心にいるのは、狗塚家と呼ばれる、青森を中心とした名家。物語に直接関わってくるのは、ばば様と呼ばれる一家の長のような存在のらいてふ、その息子・真大とその妻・有里。そしてその子どもである三兄弟。長男であり異形の者である牛一郎、次男で死刑囚である羊二郎、そして胎児と交信する妹・カナリア。 彼らの来歴、生きてきた証、その末路が描かれる壮大な物語。 ぐらいの漠然とした紹介しかちょっと僕には出来無いですね。これほど濃密な物語は、内容紹介とか無理ですよ、間違いなく。 いやー、凄い物語を読んだなぁ、というのがとりあえずの感想です。二段組みで700ページ以上というページ数もそうだけど、何よりも、描かれる物語の濃密さが凄すぎる。相変わらずの古川日出男節が炸裂する物語で、ストーリーがどうとかキャラクターがどうとかっていうような評価を一切遠ざけるような感じがします。まさに『孤高』という感じですね。基本的に作家が紡ぐ物語を読む場合、作家が作品に込めたものの10分の1ぐらい読み取れればいいかな、と僕は思っているんですけど、古川日出男の作品の場合、それが100分の1ぐらいでも仕方ないかな、と思いますね。それぐらい、古川日出男の立っている地平が遠すぎて・高すぎて、とてもじゃないけど同じ地平にはたどり着くことは出来ないという感じがします。 正直、わけわからん部分は多々あります。人にこの物語を説明するとか、僕にはちょっと出来ないですね。一体どこからこんな物語が生まれるのか、不思議で仕方ありません。物語を『創る』というのではなく、物語が『降りてくる』という感じなのかもしれないな、という気がしますね。これだけの物語を『創る』のって、人間業じゃないような気がします。 ただ、これは個人的な好みとかそういう問題だと思うんだけど、前半はハチャメチャに面白かったんだけど、後半は僕にはちょっと合いませんでした。具体的に言うと、後半の「見えない大学 附属図書館」からちょっとダメになりました。僕の印象ですけど、前半と後半で結構雰囲気が変わる気がします。前半はノリノリな感じなんだけど、後半は落ち着いているという感じで、後半の雰囲気にはあんまり馴染めなかったなぁと。最後の100ページぐらいはちょっと流し読みしてしまいました。 なんだろうなぁ。前半の、牛一郎と羊二郎のハチャメチャは話とか、狗塚家の来歴、あとよく意味はわからなかったけど真大と有里の旅路みたいな話は凄く面白かったんだけど、羊二郎が捕まっちゃった辺りから、僕の好みからすると物語が失速したかなぁという感じでした。でも、どこがどう、と言われても困るんですけどね。うまくは説明できません。 というわけですいません、僕にはこの物語についてうまく説明したり、良さを力説したりということがちょっと難しいですね。知り合いに、表現力があまりにもなさすぎて、自分が好きな対象について、「これはヤベェ。マジすげぇよ」みたいなことしか言えない人間がいるんだけど、この作品については僕もそういうようなことしか言えないですね。いやホント、これは凄い物語だと思います。これだけ長い物語なので、気軽に読んで欲しいとはなかなか言えませんけど、凄い物語だと思います。あー、この小説をもっとちゃんと理解できるだけの頭が欲しいなって感じです。

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