
夏の庭
THE FRIENDS
新潮文庫 ゆー6-1 新潮文庫
湯本 香樹実
2001年5月31日
新潮社
605円(税込)
絵本・児童書・図鑑 / 小説・エッセイ / 文庫
町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだー。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが…。喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。
みんなの評価(79)
starstarstarstar 4読みたい
68
未読
38
読書中
5
既読
394
未指定
360
書店員レビュー(1)書店員レビュー一覧
みんなのレビュー (3)
少年たちの、おじいちゃんとの友情と、生きること、死ぬことを上手に描いた秀作。
第26回日本児童文学者協会新人賞を受賞した本作は、少年たちの、おじいちゃんとの友情と、生きること、死ぬことを上手に描いた秀作。児童文学として最高だし、大人が読んでも十分楽しめ諭される良作である。 もともと、この作品は三國連太郎が出演していた映画版を先に見ていた。その作品がとてもよい映画で、作品名を覚えていたのだ。改めて調べると、監督が相米慎二。ある種の「家族」を描き出す手腕、さすがである。しかしこの作品はDVDで発売されていない。残念でならないよ、マジで。 小さい頃、絶対に湧く疑問。それは赤ちゃんがどこからkじゃなかった、人が死んだらどうなるのか、という疑問である。例にもれず、3人の少年もその答えを知りたくなるのである。そこで、近所の廃屋のような家でひとり暮らすおじいさんの「死の瞬間」を見ようと監視を始める。 大人になると、この種の疑問は、なんとなく消えてしまうが、解消されるわけではないのだよなぁ。なんというか、考えても答えがないから、考えることをやめちゃってるだけなのかもしれないなぁ。いつか、自分の子供とかに、この種の疑問をぶつけられたとき、はぐらかすんじゃなく、ちゃんと対話できる大人になりたいものである。
全部を表示ー部を表示いいね0件
close

ログイン
Readeeのメインアカウントで
ログインしてください
Readeeへの新規登録は
アプリからお願いします
- Webからの新規登録はできません。
- Facebook、Twitterでのログイ
ンは準備中で、現在ご利用できませ
ん。
X

LINE
楽天ブックスサイト
楽天ブックスアプリ
Readeeユーザー
(無題)
おすすめされて人から借りた一冊。偶然に読む前に映画を見る機会がありこれこそ引き寄せなのかなと思ってしまう。 映画は独特な雰囲気の描写もありながら、少年たちの夏の成長を感じる作品になっていてトリオの少年がキャラクターがしっかり出ていて可愛かった。特にクルクルパーのシーンはお気に入り。 本を読むと、映画とは少し印象がちがうがこちらの方が好き。丁寧に少年たちの姿が描かれていて良かった。 「ひんやりした台所から見る庭は、夏の陽にあふれて、四角く切りとられた光の箱のようだった。」がとてもきれいな表現で、夏の庭というタイトルのことだと思った。 もうひとつ印象に残った文章が 「死んでもいい、と思えるほどの何かを、いつかぼくはできるのだろうか。たとえやりとげることはできなくても、そんな何かを見つけたいとぼくは思った。そうでなくちゃ、なんの、ために生きてるんだ。」胸に響いた。
全部を表示
いいね0件