ミッキーマウスの憂鬱
新潮文庫 新潮文庫
松岡 圭祐
2008年9月30日
新潮社
649円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
東京ディズニーランドでアルバイトすることになった21歳の若者。友情、トラブル、恋愛…。様々な出来事を通じ、裏方の意義や誇りに目覚めていく。秘密のベールに包まれた巨大テーマパークの“バックステージ”を描いた、史上初のディズニーランド青春成長小説。
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夢の国を支える人たち
【夢の国のバックステージへようこそ】 知らない人はいないかもしれない夢の国。 ディズニーランド。 遊園地ではなく、体感する映画、とでも呼ぶべきテーマパークだ。 そこで働く人々はすべて役割を演じている。 だから従業員は全員、出演者(キャスト)と呼ばれ、 訪問客は、ゲスト、と呼ばれる。 ゲストに目が触れる部分は全て”オンステージ” そうでない裏舞台が”バックステージ” 華やかなオンステージではキャストは常に演技を続けている。 食堂で働こうが、掃除係だろうが、彼らは皆、演技者だ。 常に笑顔を絶やしてはいけない。 ゲストの夢を壊すようなことは絶対してはならない。 園内に存在するすべてを現実とみなすことが鉄則だ。 むろん、ミッキーマウスは、実物のキャラクターであり、 断じて、着ぐるみ、などではない。 夢があるのはオンステージ。 バックステージにあるのは現実だけ。 夢の国はすべて手作りだ。 その底辺を支えるのが1万人を超える準社員たちである。 彼らがいなければ夢の国はなりたたない、といっても過言ではない。 ”ディズニーランドで働きたい” そう希望する人は毎年絶えることがない。 その中で採用されて働き始めて、合わないって感じた人はやめていくだけ。 補充はいくらでもいる。 だから待遇もあまり変わらない。 出世が約束されている正社員と、時給で働く準社員はちがうのだ。 夢から醒めた人間たちの集まる世界。 夢は見るものではなく与えるものだと割り切ることができた人々の集う裏舞台。 知らずに自分はバックステージへと足を踏み入れた。 そこにも夢はあると信じて。 夢はたしかにある。 ゲストにとっての夢が。 ただその夢に自分は参加していない。 支えているだけだ。 ゲストの夢を守るために全力を尽くす。 ただただそれだけだ。 夢のディズニーキャラクターを演じる者たちの葛藤。 そんなものは、できるなら知りたくなかった。 夢は夢のまま。 そのほうがどれだけ良かったか。 一生懸命だけど、不器用で、まだ夢から醒めていない。 まだゲストに片足を突っ込んでいる自分。 自分もいつか夢から醒める日が来るのだろうか。 あなたは、 出演者としてオンステージで華やかに演じるか、 バックステージでオンステージのキャストを支えるか、 ゲストとして夢を見にインパークするか、 どれがいいですか?
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Readeeユーザー
(無題)
元ディズニーキャスト(とは言え、真実を知っているのはほんの一部ですが)の立場としては、こんなことあるわけない!って思うシーンも多々ありますが、リアルな部分もあり、ディズニーのバックステージについてよく研究して書かれているなと思いました。 また、主人公達の成長物語としては面白く、読み始めたらどんどん先を読みたくなってしまいました。
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