日日是好日
「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
新潮文庫 新潮文庫
森下 典子
2008年11月30日
新潮社
781円(税込)
ホビー・スポーツ・美術 / 美容・暮らし・健康・料理 / 文庫
お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる…季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。
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みんなのレビュー (14)
感性を磨き、日常を味わうことの大切さ
樹木希林さんが出演されていた映画の存在から この原作を知ることになった。 私は茶道に関する見識が一切無いため、樹木希林さんには興味があったものの、正直楽しめるかどうか不安があった。 しかし実際に読んでみれば、これは全くもって単なる 茶道の本ではなかった。 五感を研ぎ澄まして四季を楽しむこと、そのきっかけが 著者にとっては茶道だったというわけである。 私自身も五感を存分に活かすということが人間として 生きる上で楽しみを倍増させてくれるものだと感じることが多い。 それは例えば季節の変わり目に香る風の匂いであり、 冬の澄み切った肌を裂くような鋭い空気感といったものだ。 生きるということは常に変化するということと同義で 五感はその変化を私たちに身をもって教えてくれる。 その対象として最も分かり易いものの一つが花だろう。 花は人間よりも圧倒的に短い時間しか生きられないものだが、 私たちはその変化の過程を四季に沿って毎年見ることができる。 満開という一般的に花の全盛期とされる期間は短いが、 毎年私たちを楽しませてくれる。 儚いからこそ放たれる一瞬のエネルギーには計り知れないものがある。 花のように生きたいという気持ちが、少し分かった気がする。 日々大小の問題に悩まされて、大切なことを見失いがちな私は もっと日常のあらゆるものに目を向けたいと思わずにはいられない。 若い頃に読んでおきたいオススメで、大切な一冊になった。
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(無題)
何年もかけないと体験できない「お茶」の世界を疑似体験できる、お得な一冊。 大学時代、授業でやっていたお茶を思い出した。 当時はたった半年のみの授業で、単位と、タダで和菓子を食べられるお得さ、そして「我が校ならでは」感に惹かれてやっていたため、なにも感じていなかったことに口惜しく思う。 もっと真面目に考えていればよかったし、疑問に思いながらも25年以上、お茶に通っていた筆者はそれだけで才能があると思った。 <感銘を受けたこと> ・細かく決まった動作を"考えずに"行う。 スポーツをやっていない私が、何も考えずに動くことなんて、やれたのは何年前だろうか…。 何をやるにも論理的に考え、理論で覚える私にはほとんど経験がないことかもしれない。 また、その動作、お点前に「心を入れる」 心を入れた行動など、最近した記憶がない。その境地を経験してみたいと思った。 ・二十四節気、四季の巡り、五感を使う 都会に住み、東京のOLとして勤める私には最近四季は遠いものになっている。また、五感を感じることも、めっきり少なくなった。 季節の匂いなんて、もう分からない。 それがたまらなく、もったいない事のように感じた。 掛け軸、茶花、お菓子…全てで季節を祝うお茶は四季の国日本に生まれたなら、是非とも理解したい伝統だと感じた。 ふと、大学時代のお茶の先生も、掛け軸や茶花のお話をしていたのを思い出した。 ・「雨の日は雨を聴こう。雪の日は雪を見よう。夏には暑さを、冬には身の切れるような寒さを味わおう。」 「日日是好日」、全てが良い日。 人生に無駄なんてない、とはよく聞く、綺麗事だと思っていた。でも、こんなに実体験に満ちた説得力のあるものがあったろうか。 恐らく、筆者が長い年月をかけて、自ら「気づいた」ものだからこそ、ここまで感動してしまうんだろう。 お茶の中には日々の暮らしを豊かにする知恵が詰まっている。 文字にしてしまうと、非常に陳腐に感じてしまうが、長年お茶を経験することが、その気づきを与えてくれるのだと思う。 この本はそれを疑似体験させてくれる、非常に素敵な一冊だと思った。
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お茶を超えた学び
元々映画が気になっていて、購入しました。星5、満点評価をつけないのは、満点などの評価では表しきれない作品だからです。一つ一つの文字や表現の仕方がすごく丁寧で、この本を読んでいる時はすっかり時間を忘れて余韻に浸れます。お茶に関しての知識もたくさん得ることができましたが、お茶を越えた学びが多くあり、私も学ばされました。人生何が無駄で何が必要なのかもわかりませんし、極論自分次第で人生どんなことも必要になると思います。本の中では「今に集中することの大切さ」、「たくさんの本物を知ることの大切さ」お茶の実践を交えて、心に訴えるものがたくさんありました。読み終えたとき、なんとも言えない感情でいっぱいになりました。言葉で全部感情を伝えようとすると、逆に伝わらない、余韻があるからいいそんなことも本に書いてあったので、私の感想もこの辺にしたいと思います。
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あおたん
感銘を受けた
この本を読んで、とにかく今すぐにお茶を習いに行きたくなってしまった。笑 4月からの会に申し込みしようと思う。 といっても、お茶をしながらこの作者さんのようにいろんなことを学び、感じ取ることができるのかは分からないけれど。 何かが変わる気がする。何か、日本人として必要な気がする。何かを感じたい。 それにしてもこういう本を読むと、ああ日本って素晴らしい国だなぁと思う。先人が築いた文化や歴史があり、過去を生きた人と繋がってるんだなぁと思う。四季折々、風流。 しかし、お茶も習いたいしそうなるとお着物も着てみたい、お花についても学びたい、和菓子のことも知っていきたい、なんだか世界が広がりそうと思うと同時に、人間死ぬまで勉強なんだなと思った。いつまでも感受性豊かに生きたい。
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