安南から刺客
新・古着屋総兵衛第8巻
新潮文庫
佐伯泰英
2014年5月28日
新潮社
737円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
七カ月振りに総兵衛一行が江戸へ帰ってきた。古着大市の準備に忙しい大黒屋の面々だったが、主人の無事の戻りを歓喜の声を以て迎えた。帰着後すぐ総兵衛は入堀向かいの破産寸前の炭問屋の家屋敷の購入を決め、また大市での大勢の客の食事や手洗いの用意に知恵を絞る…。そんな大黒屋を遠くから執拗に監視する目があった。新たな強敵がやってきた。総兵衛す愛刀葵典太を静かに抜いた。
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(無題)
大黒屋総兵衛の命を奪おうと、安南政庁が刺客を放った。10代目総兵衛は元々、安南の地で政変に敗れて今坂一族を引き連れて江戸の地にたどり着いた。6代目の血を引く俊逸は鳶沢一族の総意のもと、総兵衛を襲名したのだった。大黒屋の交易船が安南を訪れ、総兵衛の健在を知った安南政庁が総兵衛の息の根を止めない限り安心できないのは当然であった。 京の旅で薩摩との和睦を成し遂げた総兵衛と坊城桜子ら一行は無事江戸に戻ってきました。総兵衛には旅の途中で知り合った“柘植衆”を仲間に迎えて、鳶沢、池城、今坂の4族を一つにまとめていく大仕事が待ちかまえています。そんななか、大黒屋は今回で3回目の「古着市」の開催に向けて準備に大わらわです。ところがこの古着市を巡って、大黒屋に対抗する勢力が出てくるのです。どうやらその勢力の中心人物・糸屋には、千代田のお城の然るべきお方が付いているようです。総兵衛らはそのあたりを探るものの、なかなか相手は尻尾を出しません。安南からの刺客とは別口の強力な敵の出現です。 さて、3日間の古着市、大盛況でした。人が集まる所、それを目当てに食べ物や飲み物の屋台が店開きします。飲み食いと共にヒトの営みに欠かせないのが、トイレです。イベントを企画する側が忘れてならないのが、仮設トイレです。総兵衛はこの手配を江戸の非人頭・車善七に依頼するのでした。 車と聞いて思い浮かべるのは、映画『男はつらいよ』のフーテンの寅こと車寅次郎ですね。何か関係があるのでしょうか。寅さんはテキヤですね。江戸時代は身分的には町人ですが、穢多頭弾左衛門の支配下におかれ、漫才や曲芸などの大道芸と同様に非人頭車善七の管理下でバイをしなければならなかったのです。だから、寅さんのような現代テキヤ稼業は、江戸時代の非人頭車善七と、まんざら関係ないわけではないのです。
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