ツナグ
新潮文庫 新潮文庫
辻村 深月
2012年9月30日
新潮社
825円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
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人とかかわることにつかれたときに読みたい
ツナグとは、死んでしまった人と一度だけ会わせてくれる使者のこと ツナグに頼んで死者に会わせてもらう人たちの人生、 会ってからの人生が描かれた小説。 同時にツナグ自身の人生も少しずつ明らかになる。 とても好き!泣ける。 ひとりひとりの人生は短編で区切りがあるので、 昼休みや通勤中に読みやすかった。 独立した短編ではなく、少しずつ絡み合っているので読み応えもありひらめき電球 絶対現実にはありえないストーリーだけど、ファンタジーとは全然違う。 現実と重ね合わせて入り込めるストーリー。 人間味のある話だけど、なぜか人と接することに疲れたときにまた読みたいなと思う。 一番心に残っているのは、嵐ちゃんの話 嵐ちゃんがしてしまった行動も言ってしまった言動も、ものすごく気持ちがわかる。 同時に、御園ちゃんが最後の仕掛けをせずにいられなかった気持ちも、最後の仕掛けを発動せずに済むように祈った気持ちも、すごくわかる気がして胸が締め付けられた。 心に残ったセリフ 本当に必要な人のところには、きちんと縁がやってくるようになってる。繋がらなかったのは、それもまた巡り合わせなんだ。 (一部抜粋) 残されて生きる者は、どうしようもないほどわがままで、またそうなるしかない。 それがたとえ、悲しくても、図太くても。
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