レインツリーの国
有川浩
2006年9月30日
新潮社
1,320円(税込)
小説・エッセイ
きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があったー。青春恋愛小説に、新スタンダード。
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初音
誰もが「……重量オーバーだったんですね」を持ってるきっと
ハタチになるまでに恋愛映画やドラマを人並みに観てきた中で、ふと東京ラブストーリーを観了し、恋愛の類で断トツに好きと惹起された。 にも関わらず不完全燃焼感で終わってしまったのは、これまでの恋愛映画やドラマの流れの私的統計から、この2人がくっつくだろう。という予想が、違う展開になりパツっと終わった結末の「ままならなさ」だったんだと気づくきっかけになった。 そしてこの伸行とヒトミのネットのやり取りの生々しさといったら!恥ずかしながら有川さんの作品を本でとったのは初めてで、実体験なのではと疑わずにいられない程、ネット上でのツッコミや言い訳の括弧とじ。 家族や友達には絶対に見せられない生々しさが詰まってる。 そして伸行のずるさといったらない。 P.S.で故意でもなくベタなロマンチックな言葉をかける気色悪さを備わらせてるのまで含めてずるい。こんなの気持ち悪すぎてきっっっしょで一蹴して笑ってしまって許してしまう。 喧嘩ってマイナス事項なのに喧嘩しよう!で 一気に気まずさを祓って思う存分言い合える流れに帰着させるところも。ハッとする素敵さ。 あとがきの有川さんの括弧書きに人柄が表れてるような気がして…図書館内乱も早めに読みたい
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