ツナグ
辻村 深月
2010年10月31日
新潮社
1,980円(税込)
小説・エッセイ
突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。でもー喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。-4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。
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みんなのレビュー (4)
(無題)
使者と書いてツナグと読みます。死んで行った人間と生きている人間をツナグ事によって、生きている人間の苦悩を解き放ちます。作者の透明感溢れる文体は、生と死という根源的で簡単には解決できない重いテーマを扱っているにも関わらず、しっとりとした感情空間を読者にもたらします。 一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員。このような5編からなる連作短編です。4編目までは依頼人4人が登場しその依頼人の視点から描かれます。中でも圧巻は「親友の心得」ですね。女子高生の友情の危うさを描いていて,この短編集の中では抜群の出来と言えます。最終章は、使者である歩美の視点から語られ、使者となったいきさつを含めた彼のバックグラウンドと1~4話の話を深く掘り下げることにより読者に一層の感動をもたらせてくれます。使者である歩美と「親友の心得」で登場する歩美と女子高生との関係とのバランスが絶妙です。 本書は一応ミステリーと謳っていますが、謎ときや推理が主要テーマではなく、人間の深層心理や人と人との関係の中で感じ合い、誤解し合い、すれ違い、理解し合う微妙な感情を見事に描き出しています。
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(無題)
使者と呼ばれる人が、亡くなった人間に会いたいという願いを、満月の夜に一度だけ叶えてあげるお話です。 わたしは、親友を死なせたと思っている女子高生嵐が、亡くなった親友御園から残酷な重荷を背負う話が印象的でした。この子 は、その後どういう風に人生を歩むのだろう...とついつい考えてしまいました。続編が文庫化されてたので読んでみたいです。
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