最後の秘境 東京藝大

天才たちのカオスな日常

二宮 敦人

2016年9月16日

新潮社

1,540円(税込)

小説・エッセイ

入試倍率は東大の3倍!卒業後は行方不明者多数?やはり彼らは只者ではなかった。全14学科を完全制覇!非公式「完全ガイド」誕生。謎に満ちた「芸術界の東大」に潜入した前人未到、抱腹絶倒の探検記。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstar 4.0 2021年08月15日

現役藝大生(美校)を妻にもつ著者が、さまざまな藝大生(音校も美校も)に取材した内容をまとめた本。 めちゃめちゃ面白かった。こんなにのめり込んでノンフィクションを読んだのははじめてかもしれない。 出てくる人ひとりひとりのキャラが濃すぎて、全ページクライマックスなので記憶に残らないのが問題…。新聞での連載とかにしてほしい。笑 藝大の入試は、知っていはいたけどなかなかに壮絶だ。2日間ぶっ通しで絵を描いたり、「自己表現」なんていうわけのわからない科目があったり…(鉛筆と紙が配られて「自己表現しなさい」と言われたとき、鉛筆を削り黒鉛を顔に塗りつけて、顔に紙を押し付けた後、”自画像”として提出した人がいたらしい。ちなみに合格したそうだ) 超高倍率かつ評価基準がよくわからないわけだ。何浪もする人もたくさんいるのに。(今回はじめて知ったのだが音校はそんなに浪人しないらしい。音楽家は自分自身が商品であり、若くから活動をはじめないと、活動期間がどんどん短くなってしまうから、ということだそうだ) レベルは違うけれど、就活も評価基準がよくわからないし、ちょっとだけシンパシーを感じてしまった。 せっかく難関をくぐり抜けて藝大に入学しても、周りは突き抜けた本物の天才だらけ。潰れてしまう人もいる。さらに、死ぬ気で頑張っても、その頑張りは将来に直結しないわけだ。芸術家として食べていけるのは、藝大といえどもほんの一握り。私が「学歴社会っていっても大して優遇なくね?」と駄々をこねているのとはわけが違う。藝大生は、かなりの高確率でニートになってしまうのだ。 私が藝大生に憧れるのは、安定志向とは真逆の、そのまっすぐさ故だと思う。堅実な人生を選び続けてきてしまった自分とは全く違う。一歩先のことはわからないけれど、とにかくやりたいことを全力でやるーーそういう生き方は、かっこいいと思う。 東大の工学部で建築を学んだ後、社会人経験を経て藝大の作曲科に入った異色の経歴の持ち主、山口泰平さんの言葉を引用しておく。 「最初は、社会の役に立たなければいけないということに捉われていました。でも東大で、建築の先生が言っていたんですね。『全ての建築は個人的な欲求からスタートする』と。依頼主のためとか、社会のためじゃなくて、個人的にやりたいことがあってこそ、だそうです。他社のニーズは後からすり合わせていけばいいと。なるほど、と思いまして。やりたいことをやっていたほうが、周りの人も見ていて楽しいじゃないですか。それこそが結局は、社会のためになるのかなと」 山口さんは、いつか人生を振り返った時に「何かをやりたかったのにやらなかった」と後悔するのが嫌で、一念発起して藝大に入り直したという。 「だから、僕は楽しいことをやっていこうと思いますし、今楽しいです」

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ひなまる

芸術肌の人たち

starstarstarstarstar 5.0 2020年09月23日

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