ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ブレイディ みかこ
2019年6月21日
新潮社
1,485円(税込)
小説・エッセイ
大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。
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みんなのレビュー (24)
読みやすく理解しやすく面白い。
イギリスでアイルランド人の旦那さんと息子と暮らしているみかこさん。 時事ネタでもあり、イギリスの教育環境、レイシズムなど普通は読みにくい話がくだけた文章で読みやすかった。 息子とみかこさんが日本に帰っていた時に嫌な思いをした事や、「ハーフ」という言葉は差別に当たることなんかも分かりやすかった。 イギリスにおける世代間ギャップも。 なんでEUから出ちゃったんだろう?と思ってたんですよね。 日本はストレスが多くて大変!って言うけど、多民族になったら空気なんて読めない(ベースとなる文化が違う)から、また別のストレス、地雷があるんだなぁと思いました。 またみかこさんの本読みたいな。
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(無題)
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(無題)
日本人のブレイディみかこさんは、アイルランド人の夫と、一人息子とともにイギリスのブライトンに住んでいる。その息子との日々を綴ったエッセイ集。もともとは新潮社のPR誌「波」で連載していて、社内で「あれ面白いよね」と評判になったことから単行本にする(そして力を入れて売っていく)ことが決まったらしい。すごい。 この本では、お金持ちの多い小学校であるカトリック校に通っていた息子クンが、ちょっと前まで荒れていた中学校に入学し、いろんな人(人種や考え方の異なる人)がいる環境でたくましく育っていくのをお母さん目線から書いている。 イギリスという国が抱える問題や多様性のあり方について、子どもたちは、頭でっかちな大人ではありえないような新鮮な視点を提供してくれることがある。思ったよりも軽やかに捉えるし、また他の部分では「そんなに深く?」というくらい真剣に考えている。 国が違うこと、またブレイディさんが息子を「対等な人間」として扱っていること、によって、ハッとさせられるようなことがたくさん書いてあるのに全く説教くさくない。くすっと笑えて、多様性についても学べて、自分の世の中での立ち位置について考えるきっかけになる、いい本だなと思った。単純に面白い。 ◯息子さんが学校の授業「シティズンシップ・エデュケーション」のテストで「エンパシーとは何か?」という問題が出たという話をしている場面 p74 「EU離脱や、テロリズムの問題や、世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみることが大事なんだって。つまり、他人の靴を履いてみること。これからは『エンパシーの時代』、って先生がホワイトボードにでっかく書いたから、これは試験に出るなってピンと来た」 ◯元底辺中学校の古参教員であるミセス・パープルの話 p106 「ミドルクラスの人たちが公営住宅を買って引っ越してくるようになってから、校長は学校の評判を上げることに躍起になっている。おかげで貧しい子どもたちが隅っこに追いやられている気がする。以前よりも、貧しい子たちにとってはつらい状況になっていると思う。貧困って、周囲に似たような人たちがいる貧困よりも、自分だけが貧乏な貧困のほうが本人には苦しい。お腹がすいているとき、他の子たちも同じ境遇だったら口に出して言えるけど、自分だけだったら言えなくなる」 ◯ダニエルがいじめられている件について p196 「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ」
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(無題)
英国文化を紹介した文化人として直ぐに思い浮かぶのは、林望やマークス寿子あたりではなかろうか。マークス寿子は英国の男爵夫人であるからなのか、英国礼賛一辺倒であった。それに対して本書は、普通の庶民の生活が赤裸々に綴られているので、とても面白い。 著者のプレイリーみかこは、英国在住のパンクな保育士。夫は野性味あふれる白人のトラック野郎。で生まれた子供が本書の標題となっている「イエローでホワイト」である。この子、上品で そして自分の出自に対する社会の偏見や差別に対してチョットブルーな気分になると言ったところであろうか。ところが本書で取り上げられているのは人種問題に限らない。移民や貧困、さらにはジェンダーと言った現代社会が抱える社会問題を庶民視線で鋭く捉えている。さらには当然の如く階級と言った英国独特のテーマもある。 本書を読んでいて「なるほど」と思わせた一節がある。それは「エンパシー」という言葉である。普通よく使われる「シンパシー」は同情するという意味である。これに対して「エンパシー」は、自分と違う理念や信念をもつ人のことを想像してみる事である。もっと言えば、シンパシーが他人と感情を共有することであるのに対してエンパシーは、他人と自分を同一視することなく、他人の心情をくむ事であるから、これは知性の働きである。社会問題が深刻化する中で、よくよく心しなければならない視点だろう。
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無意識に潜む差別意識
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少年を通して英国を生きる
タイトル が逸脱(著作権の対価を支払え笑) 少年の目を通した英国の現実。シビアな日常を読みやすい文体で明るくライトに表しており、手軽に英国社会が学べる良作だ 英国も大変なんだなぁ、というのが第一印象。 日本という島国に閉じこもっていると、風習や国民性にウンザリしたり、逆に日本スゴイと感じたり、比較対象が無いからか焦りのような感覚に襲われることがある。 だが英国に住む方達も、自国に誇りを持ちつつ、やるせない階級、貧困、政治といった、内容こそ異なるものの、似たような思いを抱えているようだ。 映画007スカイフォールを思い出した。あの作品も、英国の凋落と復興を主題としていたような。 とは言え、やはり日本より多民族化してる英国。彼らが抱える問題が、世界的にもホットな課題と言えるだろう。日本が進んで問題に飛び込む必要は無いのかもしれないが、何が問題とされており、世界がどんな方向に向かおうとしているのか、これは日本人がもっと注意を向けるべきと感じた。差別は無知から生まれるものだから。
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(無題)
イギリスの子供の成長と文化、政治、差別などなどを切り取ったストーリー。 かなり日本とは違う生活や問題、課題は見受けられるが、日本とは違った視点、成長で進んでるようにも思う。 子供の頃から考えることを学び、自分の意見を持ち、多様性の中で生きていく。 これだけの差があるのであればそれは段々と遅れを取ると思った。 また一つ新たな文化を知ることができてよかった本。
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