小林秀雄 最後の音楽会

杉本 圭司

2019年9月26日

新潮社

2,420円(税込)

人文・思想・社会

一九八二年十二月二十八日、夜ー。小林秀雄はもはや、音楽を聴く体力も気力も失い、病床に臥せっていた。その小林秀雄の耳に、戦後まもなく、日比谷公会堂で聴いて震えたあのヴァイオリニストの音色が、テレビの電波に乗って届いたのだ。彼は身を起こし、一階に降り、妻と並んで奇蹟のプログラムに耳を澄まし続けた…その二ヶ月後であった、一九八三年三月一日、小林秀雄は八十年の生涯を閉じた。愛読三十余年の気鋭が描く近代批評の創始者の生涯にわたる音楽との宿縁!

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